マラウィ危機(マウテグループによる占拠事件)死者数のアップデート

5月から続いているマラウィでのISIS(ここでは、マウテグループ、アブサヤフ、さらにBIFFやアンサルカリファ・フィリピンの連合とされる)との戦闘についてのアップデート。

ネットメディアのRapplerによると6月30日時点で、死者数は
政府側(国軍と国家警察).. 82人
テロリストに殺された民間人.. 39人
テロリスト.. 317人
という。これまでに政府やNGOが1713人救出したが、まだ全面解決にはいたっていない。

(英語記事)
http://www.rappler.com/nation/174358-death-toll-marawi-clashes-june-30

ちなみに5月に敷かれたミンダナオ全域の戒厳令は、60日以内という制限つきなので7月22日頃までには解かれないといけないのだが、果たして現政権はルール通りに行うのか、その点も少し気になるところではある。

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BIFF(バンサモロ・イスラム自由戦士)が北コタバト州の町を襲ったあと同日退散した件

2日前のニュースになるが、BIFF(バンサモロ・イスラム自由戦士)というテロ組織が北コタバト州ピグカワヤン町の学校を占拠し、31人の人質をとって立て籠もったが、国軍による攻撃を受け同日夜までに退散した。人質は学校関係者で、うち12人が子供だった。

この衝突でテロ組織側は4人の死者を出した。

(英語記事)
http://www.rappler.com/nation/173620-biff-hostages-rescue-pigcawayan-north-cotabato-military

BIFF(バンサモロ・イスラム自由戦士)はアブサヤフやマウテグループと近く、主に北コタバト州近辺で活動している。MILFから分かれていった分子により構成され、戦闘員は数百人以上いるとされる。

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ミンダナオではBIFFと国軍との戦闘によって2万4千人以上が避難している件

フィリピン国軍はIS系(と自称する)過激派組織”BIFF”(Bansamoro Islamic Freedom Fighters= バンサモロ自由戦士)との戦闘で空爆を行っている。

(英語記事)
http://news.abs-cbn.com/news/05/11/17/24000-villagers-flee-in-military-assault-on-islamic-state-allies-in-mindanao
http://www.manila-shimbun.com/category/english/news229976.html

一週間にわたる一連の攻撃により、コマンダー「ブンゴス」Commander Ismael Abubakar “Bungos”を含む31人のBIFFゲリラを殺害したと国軍は発表した。
BIFFと国軍との戦闘によってマギンダナオ州では2万4千人以上が避難している、とされる。

ちなみにこのような攻撃は今回だけではなく、3月にも報道されている。
http://www.mindanews.com/top-stories/2017/03/army-continues-attacks-on-suspected-biff-lairs/

BIFFは、2008年にMILFに不満を持つ分子が結成した過激派組織で、インドネシアのジェマ・イスラミヤなどの組織とも関係を保っているとされる。

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ミンダナオのイスラム過激派テロ組織まとめ2017

ここのところ、報道に出てくるミンダナオのイスラム過激派テロ組織がいろんな名前で、複雑です。年を経る毎に組織が枝分かれしている結果、あるいは活動規模が大きくなっている結果と言ってもよいでしょう。政治的成果を上げたタイミングなどで分かれているように見えます。

まず元祖は、ジャビダ事件などを背景に70年代に誕生したMNLF(モロ民族解放戦線)で、1976年にリビアが仲介したトリボリ協定をきっかけに、分裂してMILF(モロ・イスラム解放戦線)と2つになってしまった。その後、MNLFは1996年の政府との和平合意(によってイスラム教徒ミンダナオ自治地域(Autonomous Region in Muslim Mindanao, ARMM)の誕生という政治的成果に寄与した(ただし、全体的にARMMは成功していない)。しかし、MNLFがその後大人しくなったかというと必ずしもそうでなく、2013年にはその一派がサンボアンガを襲って大事件となった(本ブログ「サンボアンガの戦闘」、「サンボアンガ危機」を参照)。

さて、分裂したもう一方のMILFはその後何度も政府と駆け引きを続け、ついに2014年の和平合意でARRMを改める「バンサモロ自治地域」を発足させるという政治的成果に向かうこととなった(ただし、当初2016年に実現するはずだったものの、その年の国会で基本法の法案が否決されたため2017年2月現在、まだ発足していない)。

MNLFから分裂したものには、もうひとつアブサヤフ(Abu Sayyaf)があり、細かく言えば組織ではなく複数の小グループによる緩いネットワークだとされているが、報道ではあたかもひとつの組織であるかのように扱われている。1991年にMNLFから別れ、現在も主にスールー諸島とその周辺を拠点している。特に身代金目的の誘拐行為が有名で、国境線を越えてインドネシアやマレーシアのボルネオ島=カリマンタン島でもときおり活動している。

と、しばらくこの3つがメジャーどころで後はメディアにはほとんど登場しなかったのだが、最近はさらにISISとのコネクションを公言するグループが登場し、さらにマニラやダバオでもテロ事件あるいはテロ未遂事件を起こしたりしている。

具体的にはマウテグループ、アンサルカリファなどなどで、詳しくは下の

ミンダナオ治安(テロ関連)

を参照してほしい。ミンダナオ島内の活動地域についても言及しています。

以上、簡単なまとめでした。

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IS関連のテロ組織「アンサル・カリファ・フィリピン」のリーダー殺害

このブログでのアップデートが少し遅れてしまったが、去る1月5日に、ミンダナオのサランガニ地方でIS関連のテロ組織「アンサル・カリファ・フィリピン」のリーダーが殺害された。

(英語記事)
http://www.rappler.com/nation/157408-top-leader-pro-isis-akp-tokboy-dead
http://news.abs-cbn.com/news/01/05/17/leader-of-pro-isis-group-killed-in-sarangani
http://www.philstar.com/headlines/2017/01/06/1660108/leader-pro-group-phl-killed

この組織は、去年末の、マニラのアメリカ大使館前に爆弾が設置される(ただし不発)という事件を起こしたとされているほか、ミンダナオでこれまで数年にわたって数々の事件を起こしている。

ちなみに、ミンダナオにはIS関連と名乗っているグループが他にもあり、例えば南ラナオ州を拠点としているマウテ・グループ、BIFF(バンサモロ・イスラム自由戦士)などがある。ただし、根は同じで、今回殺害されたMaguid(読み方不明、マギドあるいはマグウィッドか)も、インドネシアのテロ組織ジェマ・イスラミヤの構成員から訓練を受けていたとか、さかのぼればMILF(モロ・イスラム解放戦線)に所属していた等とされている。

こういうテロ組織が拠点にしているのは、マギンダナオから南ラナオ州にかけてのARMMで、そのあたりで起きている物騒な事件の後ろにはたいてい彼らがいる。一方で、ミンダナオ全体で見れば他にも反政府勢力はいくつか種類があり、ブキッドノンなどの山にいる共産ゲリラ、そしてスール―諸島を拠点にしているアブサヤフが悪名高い。全体として見れば特別治安が悪化しているようにも見えないが、テロ組織が活躍している限りはビジネスは広がらないので、他の都市部との格差が拡大ばかりで残念。

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本ブログ内のアブサヤフ関連事件の記録はこちら→ ミンダナオ治安(テロ関連)