インドネシア語とマレー語とタガログ語

タガログ語とインドネシア語の文法比較(1)

ようやく、今夜からインドネシアです!ジャカルタだけにするか、ジョグジャカルタのボロブドゥール遺跡まで行くことになるか、まだ迷いもありますが、とりあえず3泊を楽しんできます。

初めての国に行くときには、いつも事前にしていることがいくつかあります。旅は学習。今まで全然知らなかった国のことを知るチャンスです。地理的な関係、歴史的な関係、経済的な関係、そして言語的な関係。 。

地図を用意して、ネットで遺跡とか調べながら歴史もひと通り読んで、それからレートや宿泊費、物価のチェック、最後に簡単な言語学習。そこまでやりつつ、同時に現地の人とコンタクトをとれるように手配します。事前に宿の手配はしません(笑)、安宿街の特定だけ。

インドネシアという国は、これまでほとんど興味持ったことがなかったのですが、調べてみると面白いです。特に、フィリピン滞在経験がある今では、比較できるのが楽しい。

混沌とした感じはフィリピンの上をいっているようですが、基本的なところは共通点が多いよう。経済的な状態からいって、基本的には10年か20年前のフィリピンみたいなイメージでいればいいのかな、と想像します。フィリピンと違って値切り交渉が必要だったり、ワイロとか、たかりとか。最大の違いは、英語が通じなさそうなところかな。

言語の面では、これまた興味深い。インドネシア語がマレー語と近いというのは知っていたけど、そのルーツや言語政策的理由を読んで興味がわいた。マレー商人が創り上げた商用言語であるマレー語を、戦前の当時、オランダ統治下で共通語を持たなかったインドネシアは採用した、とある。

インドネシア語のルーツ

そしてその言葉はマレーシアやシンガポール、ブルネイの公用語だというのだ。なんか、中南米みたいだ。

国内の土着言語話者的にはジャワ語が一番多いのに、それを採用しなかった。近代的な思想を持った当時の主導者の決断だという。

さらに上記の「インドネシア語のルーツ」には以下の記述がある。曰く、

「それに対してマレー語はリングワ・フランカ (共通語) の常として構造が単純で、格変化も時制変化もほとんどない。新語の創作も容易である。」

ちなみにこれは国内の他言語と比較しての話である。リンガ・フランカなのは日本語もタガログ語もベトナム語も同じ。簡単だというのはその次元においての話。逆に、地方語も話者が現代化するにつれてシンプルになっていくのは宿命である。

が、たしかにマレー語がシンプルだというのはよく聞く話である。本当かな?と挑戦してみたくなる。

インドネシア語とマレー語の違いは、調べてもちょっとしかわからないが、おそらくそれだけ似ているからだろうと思われる。

インドネシア語とマレー語(マレーシア語)の違い

では、インドネシア語とタガログ語の違いはというと、どうやら日本語と韓国語ぐらい違うようだ。ようするに、文法は似ており、単語にも共通するものがある。ちなみにインドネシア語もタガログ語も、表記はアルファベットです。

そっくりなものを紹介すると、、

パート1<マレー由来>
インドネシア語     タガログ語     日本語
datang                     dating                  来る
makan                     kain                     食べる
putih                       puti                     白
lama                        luma                   古い
asin                         asin                    塩辛い
asam                       asim                   酸っぱい

laki-laki                    lalaki                   男
anak                        anak                   子ども
minggu                     linggo                  日曜日
mate                       matay                 死

逆を言うと、この程度だということです。ちなみに、タガログ語とは近いんですがフィリピンの他の言語だともう少し離れている気がします。やはり、人の往来の影響でしょうか。

パート2<西洋由来>
インドネシア語     タガログ語     日本語
stasiun                     estasyon             駅
bus                          bus                    バス
taksi                        taxi                    タクシー
polisi                        pulis                   警察
telepon                     telephone           電話
jepang                      Japan(Hapon)      日本
などなど。。

あと、西洋由来は、オランダ語とスペイン語という差の背景の上に、英語がかぶさっているような感じがします。

最後に、再び先の「インドネシア語のルーツ」を参照して終りにします。インドネシア語の日本語的語呂合わせの紹介。先人の知恵、というか、傑作ですねこれは(笑)。

飯(めし)はナシ (nasi)、魚はイカン (ikan)、菓子はクエ (kue)、人はオラン (orang) で、死ぬはマテ (mati) マテ。

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インドネシア語とマレー語とタガログ語」への2件のフィードバック

  1. はじめまして、ちょっと質問なんですが
    セブアノ語ーインドネシア語だとタガログ語ーインドネシア語よりも近い感じなんでしょうか?
    地理的にはセブアノ語の話されている地域はインドネシアに近いのでセブアノ語のほうがより近いのかなと思いまして。 

    • はじめまして!その通りだと思います。例えば代名詞で、セブアノ語の”kamo”や”kita”はインドネシア語の”kamu”、”kita”とよく似ていますが、タガログ語では”kayo”、”tayo”なのでちょっと遠い感じがします(タガログ語の”kita”は”ka + ko(私が君を)”の意味なので、”we”ではない)。他の語の例は”lain”等ですかね。そのうち改めてまとめてみたいとは思ってます。

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