メキシコ旅行から帰ってきてから、ブログを更新してませんでした。記憶が薄れる前に、思ったことを書き留めておきます。
メキシコとエクアドルを較べるっていうのは、その大きさからして不可能だとは思うんだけど、それでも較べずにはいられません。
まずは似ているところ。
1)スペイン語
今回訪れたのは4つともそれなりに標高がある町でしたが(1800-2400mぐらい)、話されているスペイン語の発音はキトと大して変わらない、と思いました。グアテマラと並んで、中南米の標準スペイン語ということでしょうか。一応言っておくと、違うのは口語表現とか間投詞、特にキトの場合はキチュア語の単語を借用しているのがあるのでそこの部分とか。あとは根本的に声の出し方とか違うと思いました(キトは、東南アジアのようなダラーっとした話し方です)。
2)物価
これが、今日のテーマです。
メキシコとエクアドル、意外と物価が同じぐらいなんです。一人あたりGDPではメキシコは1万ドル、かたやエクアドルは半分以下の4500ドルにもかかわらずです。しかも、エクアドルに関して言えば服、靴、カバン、薬、電化製品、楽器なども大半が輸入なので、高い関税がかかっていてメキシコより断然高いです。
おそらくこれは一人あたりGDPで比較することの危険性なんだと思うんですが、メキシコは(現在の)エクアドルよりも貧富の格差が激しいので、低所得層に照準をあわせてみないと物価のことは見えてこないんだと思います。たとえば、メキシコの最低賃金はとんでもなく安いし(フィリピン以下)、その上メキシコはインフォーマル部門が巨大なことで有名。かたや今のエクアドルは社会(民主)主義を表明しているだけあって、政府が大きい。エクアドルの、ここ10年の最低賃金の上昇はかなりすごいです(日本もけっこうですが)。
で、物価ですが、エクアドルの方が安いのは、1)食費、2)長距離バスの2つが目につきます。長距離バスが断然安いのは、おそらくガソリン代の寄与も大きいと思うのですが、エクアドルは政府が補助金を出し続けていて、ガソリンが1Lあたり50円だったと思います。
農作物はともかくとして、他のものはメキシコの方が安いように感じました。理由として思い当たるのは、「競争」です。物価にかぎらず、それこそ、メキシコとエクアドルの大きな違いだと思ったのです。エクアドルは、競争が緩いせいで価格が高止まりしている気がします。それだけでなく、なんでもかんでも政府がなんとかしてくれるのを待っている雰囲気です。
エクアドルはコレア大統領になってから治安も良くなり安定して経済成長もしていますが、もし原油価格が下がってきたらどうなるか心配です。最近読んだコレア大統領の2009年の本でもそのことは指摘されていましたが、ここ数年で好転しているとはどうも思えません。なんと言っても一般市民がのーんびりしていて、グローバリゼーションに対応できるというような感じがしません。いや、その理由のひとつが在外家族からの海外送金だと見るならば、グローバリゼーションの結果としてそうなっているのはあるのですが。