サンボアンガ・デル・スル州でイギリス人とフィリピン人妻が拉致された件

数日前のことになるが、10月4日夕方に、サンボアンガ・デル・スル州のトゥクランという町で、当地でリゾートを経営する70代のイギリス人とフィリピン人妻が何者かによって拉致された。4人の男が拳銃を突き付け、ボートで待機していた2人と合流し海に去って行ったという。

(英語参考記事↓)
https://www.rappler.com/nation/241785-gunmen-abduct-couple-zamboanga-del-sur

おそらくISIS系のテロリストの仕業ではないかと思われるが、現在まで犯行声明は出ていないという。おそらく、実行犯が身柄をアブサヤフ等に引き渡し、そこから身代金交渉が始まるのではないだろうか。

ところでアブサヤフのニュースは最近あまり聞かなくなったが、同10月4日にはアブサヤフのサブリーダー格が、ケソン市に潜伏していたところを逮捕された。

(英語参考記事↓)
http://www.manilastandard.net/news/national/306638/abu-sayyaf-sub-leader-arrested-in-quezon-city.html

この記事を読むと、彼はアジャン・アジャン(Ajang-ajang)というサブグループの所属だったことがわかる(アブサヤフは、ひとつのグループというより緩やかなネットワーク)。記事では、はじめはサンボアンガ市にいた際に月1万ペソの報酬を約束されて参加した、とあり、やはりこのような若者がリクルートされていくのは地方の貧困が背景にあるように思われる。

アメリカに喧嘩を売る国 フィリピン大統領ロドリゴ・ドゥテルテの政治手腕
古谷 経衡
ベストセラーズ
売り上げランキング: 163,649
日本/フィリピン歴史対話の試み: グローバル化時代のなかで
永野 善子
御茶の水書房
売り上げランキング: 1,820,873
広告

海外に住む家族への送金で日本の所得税・住民税控除

外国人に限らないが、海外(日本以外)に親族または結婚相手の親族が住んでいて、かつその人(たち)に日本から生活費として送金している場合、送っている人は親族を養っていることで所得税・住民税から控除ができる。もし外国人と結婚している人で、その結婚相手の所得がほとんどなければ、配偶者(夫または妻)が控除の対象になる。

ただし細かい条件がいくつかある。
1) 送金が銀行や合法的な送金業者を通じて行われていて、相手の氏名が送金のときの書類で証明できること (現金を一時帰国のときに手渡すのはダメ)
2) 送金している人と扶養家族との関係を証明する出生証明書などが準備できること
3) 養われている人が「税法上の親族」であること (「税法上の親族」とは、配偶者、6親等内の血族、3親等内の姻族です。例はこちら(PDF)を参照)
4) 養われている人が所得があまりないこと (食べていけるだけの収入がある人はそもそも養う必要性がないため)
5) 養われている人の年齢が16歳以上であること (現行法のもとでは、15歳未満は扶養控除の対象とならないため)

1)と2)は海外に住んでいる扶養親族の証明のための決まりで、数年前に導入された(それ以前は証明の必要はなかった)。3)~5)は日本国内に扶養親族がいる場合にも必要な条件。この制度について、詳しくは国税庁東京・目黒区のウェブサイトなどに情報がある。

さて、親族関係を証明する出生証明書をはじめ、外国語で書かれた書類は日本語訳をつけなければならないが、銀行や送金業者から入手する送金記録の書類に関しては、日本語で出すところが多くあり、翻訳の手間が不要でよい。しかし、外国人向けの送金業者でかつ店舗で受け付けしているような業者は、日本法人にもかかわらず日本語でその書類を出してくれないところも多いようだ。

また、銀行は送金業者よりも一般的に送金手数料が高い(それでも昔よりはずいぶん安くなった)。

これらを考慮すると、現在のところ両替レートと手数料が一番良心的で、かつ日本語で送金記録が入手できるのはオンライン送金サービスの「トランスファーワイズ」と思う。この会社は、いまやIT立国で有名なエストニア発の企業で、スカイプで働いていた人などが創業した。

これまで何年か使っていて全く不便なく使えているので、オススメできます。最近送金手数料が若干上がったけど、それでもまだ他社より安い)。

右のリンクは私からのトランスファーワイズ紹介リンクで、ある程度以上送金すればそのときの送金手数料が無料になる特典がついています(こちら)。

なお、扶養親族は人数分だけ控除される額が増えるし、その人に障害があったり、19歳以上23歳未満だと多く控除される。

控除があるとその分だけ課税される額が減るが、控除が増えすぎると課税されなくなる(非課税になる)。一説によると、非課税だと在留資格の更新や、家族の呼び寄せ等に不利に働くとも言われるが、入管がそう公表しているわけではないのではっきりしない。この制度を使うかどうかは、あくまで自己責任で決めていただくよう。

破損したレジストリの最適化?でパソコンが速くなった話

ネットブックを買って、1年半ぐらい使っていたらだんだんと処理速度が遅くなって、困っていた。

それでも無視して使っていたのだが、このネットブックにインストールして使っている無料のウィルス対策ソフト「AVG」から「破損しているレジストリが〇〇個あります」というお知らせが来ていたのをようやく気にし、レジストリの最適化というものを無料ソフトで挑戦してみよう、という気になった。が、AVGでやろうとすると有料のやつにアップグレードしなければならない風だったので、別にフリーソフトを探し、あくまで無料で対処することにした。

このウェブサイトでGlary Utilitiesというフリーソフトをダウンロードし、インストールしてみた。↓
https://freesoft-100.com/review/glarysoft-registry-repair.html

しかし、なぜか初期画面がフランス語の上に、日本語化の手順が上のウェブサイトの解説と同じでない。

まずメニューバーの位置が違う。メニューは右上の方にある。
プルダウンメニューが開いたら、セッティングは下から三番目。
すると「一般設定」のタブが開いた状態になるので、一番上のプルダウンメニューから日本語を選べばよい。

あとはワンクリックでいろいろやってくれたようで、とりあえずパソコン速くなってよかった。

が、その後このソフトを入れっぱなしにしていると、いちいちうるさい。この作業、一度やれば当面やらなくてよさそうなので、作業が終わったらさっさとアンインストールするのが吉と思われる。

タガログ語とインドネシア語の文法比較(1)

タガログ語(フィリピン語)とインドネシア語が似ている、というのは知られたことであるけれども、文法上のどこが具体的に似ているのか、というのを日本語で検索してもヒットしない。そこで、自分で書いてみることにする。ただし、現状私はインドネシア語を数年独学した程度で、話せるレベルではないというのは言い添えて置く。

今回は動詞で似ている点について。

1) 焦点
タガログ語の動詞には焦点(あるいはトリガーとも呼ばれる)のシステムのために動詞に独特の難しさがあるが、インドネシア語もうっすらとそれらしい特徴があるように思える。

1-1) 行為者焦点
当然ながらぴったりは対応いないが、おおざっぱに言えば、
タガログ語  インドネシア語
mag-動詞 meng- / meN- 動詞
-um-動詞    ber-動詞

で、あと使役は
タガログ語  インドネシア語
magpa-動詞 mengper-動詞

と把握しておけば便利そうである。

1-2) それ以外の焦点
タガログ語で目的(あるいは対象とも呼ばれる)焦点動詞、方向焦点動詞、手段焦点動詞etc.は、どうやらインドネシア語では接尾辞に-kan, -an, -iをとる動詞がそれに似ている。
タガログ語               インドネシア語
i動詞、in動詞、an動詞、pag- -an動詞etc.  -kan, meN- -kan, -an, -i

あと、受け身の表現はタガログ語ではin動詞の一部で行為者を言わないのが普通な語が一部にある程度ではっきりしないが、インドネシア語は前置詞diが動詞の接頭辞として機能するよう。よって、

タガログ語  インドネシア語
-in動詞    di-動詞   

2) モード
タガログ語の状況モードは、かなりの程度インドネシア語の接頭辞terとニュアンスが似ているように思われる(特に、非自発的行為に使うもの)。よって、
タガログ語   インドネシア語
maka- / makapag-動詞 ter-動詞
ma- / ma- -an動詞     ter- -kan動詞

3) 名詞化
正しくは語根の名詞化なんだろうが、動詞の項に含めておく。
「~する人」を指すのに、タガログ語ではmag- / mang-動詞の未然相(ようするに未来形)を使うが、インドネシア語では接頭辞pe-を使う。

タガログ語   インドネシア語
mag- / mang-動詞の未然相   pe-  

以上、今回のメモはこんな感じで。(今後、適宜訂正していく可能性あり)

ブキッドノンで視察団がNPAに襲われた件

去る5月30日のことだが、ミンダナオ中部ブキッドノン州のインパスグオンで、先住民コミュニティを訪れていた国際視察団をNPA(共産ゲリラ)が襲う事件があった。護衛の軍人7人を含む11人が負傷者したが、死者はいなかった。

この視察団はASEAN諸国からの参加者で構成されていたので、この事件はベトナムのメディアも報じている。

(英語記事↓)
https://www.pna.gov.ph/articles/1071108

https://www.philstar.com/nation/2019/05/31/1922257/7-soldiers-hurt-bukidnon-landmine-attack

https://www.vietnamnews.net/news/261316586/npa-terrorists-attack-foreign-observers-convoy-in-bukidnon

アメリカに喧嘩を売る国 フィリピン大統領ロドリゴ・ドゥテルテの政治手腕
古谷 経衡
ベストセラーズ
売り上げランキング: 163,649
日本/フィリピン歴史対話の試み: グローバル化時代のなかで
永野 善子
御茶の水書房
売り上げランキング: 1,820,873

アブサヤフに人質にとられていたオランダ人が死亡した件ほか

アブサヤフ掃討の軍事作戦が続いているスールーで、作戦中の去る5月31日にオランダ人の人質、Ewold Horn氏(59)が死亡したことが発表された(参考英語記事)。
彼は2012年に、バードウォッチングのためにフィリピン人ガイド(Ivan Sarenas氏)とスイス人(Lorenzo Vinciguerra氏)とタウィタウィを訪れていたところを拉致された。その際、フィリピン人ガイドは逃げることができ、またスイス人の方は2014年に脱出していた。

なお、それに先立つ今年4月には、人質のインドネシア人1名が脱出した。しかし、一緒に逃げようとしたもう一人のインドネシア人は溺死し、また別に逃げ出したマレーシア人1名は撃たれてしまった。
https://www.voanews.com/a/philippines-abu-sayyaf-hostage-escapes/4864513.html

この記事ではまだあと2人フィリピン人の人質がいる、とされている。

また、5月25日にはスールー州ホロ島パティクル(Patikul)で,アブサヤフの武装集団約30人が地元のコミュニティを襲撃し,子供2人が死亡,住民3人が負傷。その後,応戦した国軍との銃撃戦でASGメンバー6人が死亡,兵士3人及びASGメンバー7人が負傷した。

アメリカに喧嘩を売る国 フィリピン大統領ロドリゴ・ドゥテルテの政治手腕
古谷 経衡
ベストセラーズ
売り上げランキング: 163,649
日本/フィリピン歴史対話の試み: グローバル化時代のなかで
永野 善子
御茶の水書房
売り上げランキング: 1,820,873

世界の裁判見て歩こう

タイトルにあるように外国語学習の本には違いないのだが、ノウハウは書いていないちょっと珍しいタイプの本。

「世界の裁判見て歩こう わたし流外国語上達法」山中信彦(2018)

世界の裁判見て歩こう わたし流外国語上達法 (幻冬舎ルネッサンス新書)
山中 信彦
幻冬舎 (2018-03-15)
売り上げランキング: 1,066,782

正直、書籍にするほどの内容ではないと思うが、それにしても書かれている情報は珍しい。アメリカ、イギリスをはじめフランスやドイツ、ロシアなどの裁判所でいろんな国の裁判を傍聴し、あるいは傍聴しようとした、という記録。著者はどうもモテない男性であることを前面に出して書きたかったようで、女性の読者にはキモイと思われるような内容もあるのではと個人的には思う。

現在世界で支配的な法律やら裁判所のシステムというのは西洋のものが土台になっているので、世界中で理解不能なほど違うということはおそらくなく、基本的な部分が同じであればその国の言葉がそこまでわからなくても登場人物の役割やおおまかな流れ自体は類推できるところが多く、言語に通じていなくても理解の助けになるよう。

さらに、本物の裁判所は通常テレビには出てこないので、現地に行ってしか見れない、という旅行の醍醐味もある(ただし、国によっては、ほんの一部ネットで見れたりもする)。いろいろな国で傍聴していれば、裁判のやり方はもちろん、傍聴に来る人たちの雰囲気の違いも比べられて面白いだろうと思う。

まずは日本でいろいろと傍聴して学習したあとに、海外に行って傍聴するのがよいと思う。少なくとも中級以上でないと聞き取りも、職員とのやり取りも難しいだろうから、かなり自信がつくようになってからようやく挑戦できる趣味だと思った。俺もいつかやってみたい。