2019年1月から始まる日本出国税の例外について(メモ)

本ブログでも以前に「2019年1月から日本も出国税が課されるようになる件」で触れたが、2019年1月7日から日本を出国する際に1000円の「国際観光旅客税」が原則、課税されるようになる。ただ、ここに「原則」と書いてあるように、例外も存在するとのことなので、ここにメモしておきたい。

情報は、国税庁が発信元なので国税庁の「国際観光旅客税について」を見るのが一番詳しい。

このページでは4言語で書かれたパンフレットも用意してあるが、それを見ると、経過措置として2019年1月7日以降に出国する場合でも発券がそれより前の場合は課税されない。つまり、2019年1月7日以降に日本を出国する航空券を買うと1000円高くなっているということだ。

ただし、1月7日以前に発券されたチケットも、それ以後に日時変更などをすると課税されるようになるらしい。

課税対象外なのは2歳未満の子ども、入国後24時間以内に出国する乗継旅客など。外交官や航空機搭乗員らも対象外。

国籍は問わないことから、日本在住の人だけでなく外国人観光客にも課税されることがわかる。単純に考えれば今後、外国人観光客が増えれば増えるほど税収は上がるが、日本人で外国に行く人が減ればその分は相殺されることになる。

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チャバカノ語文法入門2

サンボアンガ・チャバカノ語の文法について、習い始めてからそろそろ6年が経過。日常会話で使い始めてからは2年弱なので、実質は2年ぐらい。
基本的なことは言えるようになってきたので、ちょっとまとめてみます。

1. 語順
チャバカノ語の語順には2通りある。それはちょうど、タガログ語に述語から始まる通常の語順の文と、文中に”ay”が入っているang形から始まる文の2通りあるのになんとなく似ている。ただし、チャバカノ語ではタガログ語の”ay”のような文法語はない。

これは例えば、このyoutube解説(英語)ビデオに出てくる例のような感じ。
通常の語順の例:Ya mira el hombre con Jose. (4分目から始まる箇所)  男はホセを見た / 男はホセと会った 。
主語から始まる語順の例:El libro man sale na 5 linggwahe. (10分目から始まる箇所) その本は5言語で出る(=「世に出る」)。

ちなみに、上の解説ビデオはよくまとまっており、英語版のwikipediaを読むよりもよっぽどわかりやすい。

2.フォーカス
自分で2013年にこのブログに書いた「チャバカノ語とタガログ語の比較」の通り、タガログ語などのフィリピン諸語と違ってチャバカノ語には動詞フォーカスはない。この点が決定的にシンプルだと思う。

3.語彙
語彙はスペイン語の影響が非常に強い。セブアノ語の影響はおそらく既にピークを過ぎており、現在では新しいセブアノ語語彙の流入は止まっていると思う。他のフィリピン諸語と同様、若い世代、あるいは高学歴になるにつれて英語の影響が強い。

語彙の面でおもしろいと思うのは、タガログ語と比べた時に中国語(というか広東語)の影響がかなり弱いというところ。おそらく直接的に広東語から借用された単語はほとんどないのではないかと思う。例えば”tata”(父)、”nana”(母)はタガログ語やセブアノ語と同じなので、直接的にはそこから来たように思われる。少なくとも19世紀末までにはサンボアンガでも中国人は多かったようだが、マニラやセブとは比べようがない、ということだろうか。

さて、現在のチャバカノ語のサンプルで、特に大卒の若い世代が話しているのを参考までにリンクしておく。
本人曰く大学までサンボアンガで過ごしており、ところどころに現われる英語から察するに英語も流暢、かつ見た目にはあまり中華系のようにも見えないタイプ。

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サンボアンガの語源の一説

前回に続いて、まだ「フィリピン漂海民」を読んでいる。

「フィリピン漂海民 月とナマコと珊瑚礁」門田修(1986)

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その中に、サンボアンガの名前の由来についての伝承らしきものがある。興味深いので以下、引用してみる。(125-126p)

 ジョホール(マレー半島)の近海でいまと同じように家船生活をしている一団がいた。ある日集団の長老が杭を海底に突きたてて船をもやった。それにならって他の家船もつぎからつぎへと、船と船を結んでいった。ところが長老が海底だと思って杭をさしたところは、大きなエイの鼻の穴だった。夜の間にエイは目をさまし、たくさんの家船を繋いだまま泳いで遠くの海にいってしまった。朝になり気がついた人たちはびっくりしたが、自分たちがどこまで引っ張られてきたのか、どうすれば帰れるのか、分からなかった。それから数日、海を漂っていると陸を見つけた。そこにとどり着きやっとの思いで船を泊めるための杭を突きたてた。その場所がサンボアンガだった。
 杭をサマル語でサンブーアンと言う。サンボアンガ市は船を泊める杭のことだ。今でも漂海民たちはサンボアンガをサンブーアンとか、サンブーと呼んでいる。サンボアンガに着いたのち彼らはスールー諸島を西に進み、現在の海域に住むようになったという。つまり漂海民はいったんフィリピンに行って、それから西漸したので、クブーのように家船にアウトリッガーがついたとしても不思議はないわけだ。伝説からこんな風に推理してみることができる。しかし、クブーがあったからこんな伝説を考えついたのかもしれない。伝説もクブーもいつごろできたのか、それがはっきりしていないのだ。
 伝説にもいろいろある。エイに連れられてサンボアンガに着いたのち、ある人たちは陸に上がり農耕を始め、残りの人たちが漂海民になったとか、ジョホールのことには触れず、サンボアンガからエイに引っ張られてきたとか。そしてタウスグ族のあいだでは、自分たちと漂海民はもともとは一緒に住んでいたが、いかにして彼らと漂海民とが別々に暮らすようになったかという伝説をもっている。

この記述は、ウィキペディアの「サンボアンガ」に載っている説明とも近いし、英語版ウィキペディアの”Zamboanga City“の記述と全く同じ。今日の時点で、英語版のウィキペディアにはこうある。

The city used to be known as Samboangan in historical records. Samboangan is a Sinama term for “mooring place” (also spelled sambuangan; and in Subanen, sembwangan), from the root word samboang (“mooring pole”). The name was later Hispanicized and named as Zamboanga.

(拙訳:当市は歴史的記録ではサンボアンガン(Samboangan)として知られている。サンボアンガンは、シナマ語(サマ・バジャウの言語)で「杭を打つ場所」といい、語根はサンボアン(杭)である。この名は後にスペイン語化してサンボアンガ(Zamboanga)と名付けられた。

ちなみに日本語版はこう。

伝承では、初期のオーストロネシア語族の移住者は、山に住むスバノン族、川岸にいた民族、「花の豊かな地」という意味のジャンバンガン Jambangan という平野に住んでいたルタオ族だった。その後、彼らの子孫で低地に住んだ人々、ボートに乗ってきた人々や海を漂泊する人々、バジャウ族やサマール族がこの地を「サンボアンガン Samboangan」と呼んだ。サンボアンガンはジャンバンガンから来たものという説もある。スペイン人が作図した初期の地図では、すでにサンボアンガンの地名が現れ、「船が着くところ」を意味すると言う説明がなされている。またサンボアンガンは、サマール族やバジャウ族が浅瀬で船を進ませるときに使う木の棒「サブアン sabuan」から来たという説もある。初期のスペイン人植民者はここを「エル・プエブロ・デ・ルタオ El Pueblo de Lutao」、ルタオ族の地と呼んだ。

これらの情報から見るに、どうやら門田が聞いた話は正しいのではないかと思う。もともとサンボアンガにはルタオ族が住んでいたのかもしれないが、スペイン人が使うようになった名前はサマ・バジャウの言語から来た、というのはあり得るのではないだろうか。そして「ルタオ族」の情報はどうも少なく、ようは人口がかなり少なかったのでは、と思う。

というのも、1635年にDon Juan de Chaves率いるスペインがサンボアンガにピラール要塞を作った際、300人のスペイン人と1000人のビサヤ人を連れて行ったとされるが、当時の1300人というのは現地人口と匹敵するぐらいの規模だったのでは、とも思える。であれば、数百年の間にルタオ族は言語的にはすっかりスペイン語なりチャバカノ語なりに席を明け渡したのだとしても、それほど不自然ではないのではないだろうか。

もっとも、もしいつかサンボアンガの山奥か田舎の方でルタオ族だという人たちに会えるのなら、けっこうな大発見ということになるのかもしれない。そんな人たちがいたとして、さらに現在まで独自の言語や伝承をもっていれば、の話だが。

アガルアガル(agar agar)についてのメモ

備忘録。フィリピンでゼリー系の食べ物を作るのにおなじみで、スーパーにも売っているアガルアガル(agar agar)について、漠然と寒天なのかなぁ、と思っていた件について。

スールー海のバジャウ(サマ)について書かれた「フィリピン漂海民 月とナマコと珊瑚礁」門田修(1986)

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を読んでいたところ、そこで養殖しているアガルアガルは2種類あって、学名はそれぞれエスピノサ(E. spinosum)とコットニー(Eucheuma cottonii)という、と書かれていた。これを試しにgoogle先生の検索にかけてみたところ、日本藻類学会のウェブサイトに次の日本語資料が見つかり、非常にわかりやすかった。

「21世紀初頭の藻学の現況 海藻工業」西出英一
http://sourui.org/publications/phycology21/materials/file_list_21_pdf/38SeaweedIndustry.pdf

曰く、海藻から作るゼリーには大きく次の3種類がある。
1) アルギン  (Lessonia spp )
2) 寒天 (テングサ、オゴノリ)
3) カラゲナン (Euckeuma spinosum, Euckeuma cottoni, Gigartina pistillata)
 
アガルアガルはこのうちの3)カラゲナンだという。

ちなみに、別ソースによればagar agarは英語でagarまたはchina grassとも言うらしいが、どうやらこれは上記1~3をおおざっぱに総称しているように見受けられる。例えばウィキペディアの「寒天」の左の方にある英語ページへのリンクを開くと、ほとんど英訳のような”Agar“のページにいくが、ここで言っているのはテングサのことなんじゃないだろうかと思う。

今度はジェネラルサントスで爆破テロ

備忘録。

9月16日にジェネラルサントス市(ジェンサン)で、手製爆弾(IED)による爆破テロがあり、8名が負傷した。犯人は特定されていないようだが、先月に隣のスルタン・クダラット州で立て続けに2件の爆破テロが起きた後だけに、同じBIFFの仕業という可能性も考えられる。

この事件を受けて、ジェネラルサントス市では警戒レベルを4に引き上げたということだが、日本の外務省は危険レベル1のまま。外務省の設定している危険度はご都合主義的な面がかなりあるので、大して信用ならない。今後もジェネラルサントス市とその周辺、あるいは再びダバオでテロが起きる可能性はフィリピンの他の地域より高いと、俺は思う。

(英語記事↓)
http://www.gmanetwork.com/news/news/regions/667944/7-hurt-in-gensan-bombing-police/story/

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再びミンダナオ中南部スルタン・クダラットで爆破テロ

8月28日に3名が死亡したミンダナオ中部スルタン・クダラット州で爆発テロがあったばかりのイスラン町で、9月2日に再び爆破テロがあり、少なくとも1名が死亡、10数名が負傷した。爆発物は手製の爆弾とのこと。

(参考英語記事↓)
https://www.rappler.com/nation/210984-sultan-kudarat-explosion-september-2-2018
http://newsinfo.inquirer.net/1027399/another-bomb-explodes-in-sultan-kudarat

前回と同じグループの犯行とすれば、BIFF(バンサモロ・イスラム自由戦士)の仕業ということになる。現在ミンダナオ全土に敷かれている戒厳令は今年末までだが、今回の一連の事件で、延長の可能性も増してくるように思われる。

ちなみに、ミンダナオ島では、去年は南ラナオ州でマラウィ市が占拠され、数カ月に渡って国軍が解放のための戦闘をしていた。
(ミンダナオでの一連のテロについては、当ブログのミンダナオ治安(テロ関連)を参照)

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ミンダナオ中部スルタン・クダラット州で爆発テロ

日本大使館からのメールで知ったのだが、またミンダナオでテロがあったそうだ。今度は、中南部のスルタン・クダラット州の州都イスラン( Isulan)町。
8月28日夜のお祭りの最中に爆発し、死者2名、負傷者30名以上とのこと。当局は、ISIS系テロ組織BIFFが関与していると考えている模様。

(9月3日追記:死者数3名、負傷者36名)

(参考英語記事↓)
http://news.abs-cbn.com/news/08/29/18/military-links-biff-to-sultan-kudarat-blast

ちなみにスルタン・クダラット州は大きな都市のないマイナーな州で、コタバトやジェネラルサントスからほど近い。名前の由来はコタバトを中心としたイスラム教のマギンダナオ王国が17世紀に最盛期を迎えた時の王。この王はスールー王国の姫を妻とし、両国は友好関係にあったとされる。

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