円高なだけでなくペソ安なこの頃(フィリピンペソ)

第二次安倍政権になって異次元緩和やらが始まって久しいが、結局また円が高くなってきている。もちろん米ドルに対してもそうなのだが、対フィリピンペソの動きをみるとこれまた久々に0.50に届きそうに勢いだ。

フィリピンペソの動きをよく見ると、実は円に対してだけではなく米ドルに対しても52と、かつてない安さになっている。たしか、トランプが政権につくちょっと前から下がり始め、今年に入ってから一段と下げた感じだ。ようは、ドゥテルテが大統領になってから順調に下がってきているということになる。

今年に入って、所得税を含む税制改革が施行されたのが原因だとすると、今度も下がり続けるのでは、という予測も成り立つ。もう少し様子をみてみたい。

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スールーで比人エンジニアが拉致された件

3日前のニュースになるが、スールーのホロで地元のフィリピン人エンジニア1名が拉致された。スールー諸島はフィリピンとマレーシアの境目のところにあり、ホロはその中心地。下の記事によれば、犯行を行ったのはアブサヤフの可能性があるという。

参考記事(英語)↓
http://news.abs-cbn.com/news/02/14/18/dpwh-engineer-abducted-in-jolo

スールー諸島は今ではフィリピン人ですら、よそ者はガイドなしには入らないようなところ。だが80年代ぐらいはまだそこまでではなかったよう。80年代には鶴見良行がフィールドワークで訪れ、「マングローブの沼地で」等の著作に記述を残している。

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アブサヤフが人質にとったインドネシア人2名を解放していた件

ここのところ忙しくてウォッチしていなかったのだが、2016年11月にタウィタウィで拉致されたインドネシア人2名が、1月23日に解放されていたことがわかった。

英語記事↓
http://newsinfo.inquirer.net/962262/abu-sayyaf-frees-2-abducted-indonesians-who-are-now-with-sulu-gov

昨年11月20日の時点から他に動きがないと仮定すると、現在拉致された状態になっているのは、ベトナム人6名、インドネシア人3名、オランダ人1名、フィリピン人5名の計15名ということになる。

ちなみに2010年に拉致されたとされる日本人の伊藤敏雄はアブサヤフの一員として活動しているとみなされており、この中には含まれていない。
(参考記事↓)
https://www.news-postseven.com/archives/20161114_465749.html

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Manigong bagong taonの”manigo”について調べてみた

タガログ語の「あけましておめでとう!」は”Manigong bagong taon”ということになっているが、”manigo”という形容詞はフィリピンに住んでいても日常生活で聞くことは皆無。ということで、何なのかちょっと調べてみました。

まず思い当たったのは英語の”Happy new year”。これに対応しているとすると”happy”という意味なはず。

ただ、西暦を使いだしたのはスペインの植民地時代だったはずなので、スペイン語に対応している方が可能性としては高そうだ。現代スペイン語では新年の定番挨拶文句は”Prospero año nuevo”なので、”prospero”の部分かもしれない。”prospero”は「栄える」というような意味。

普通に使われるタガログ語では「栄える」は”maunlad”。これよりもうちょっとディープな感じ(ディープ=malalim=文語あるいはバタンガスやブラカンの方で使うタガログ語、というニュアンス)がする言葉に”masagana”があるが、さらにそれより古風な言葉なのかもしれない。

実際、フィリピン人の間でも”manigo”の意味については特に若者にはよく知られていないようで、ネット上では「調べてみた」的な記事がいくつもある。
そこでの説明によると、やはりスペイン語の”Prospero”に対応しているという説が最も有力。ただ、オンライン辞書によっては”happy”も”prosper”も両方載っていたりしてはっきりしない。

古い言い方であるなら、昔の辞書にはちゃんと載っているのではと思い、試しにgoogle booksに上がっている古い辞書“Vocabulario de lengua Tagala”
(1754=1860)で調べてみた。すると、p206に”NIGO”があるにはあるが、”NIGÖ”の”O”のところにアクセントマークがあり、上記の”manigo”とは音的に別のよう。一応、記述を見てみると、

NIGÖ. pp. Acertar á lo que se tira. Vm, irse haciendo certero. En que, Naninigoan. Nag-
papanigo, probar vetura. Canigoan, abstracto. La causa de acertar. Y, l. Ica

説明がスペイン語で何が書かれているか以前に、”ma”形容詞としての使用法すら書いていない。どうやら”nigó”は動詞の語根のようだ。
“acertar”の現代スペイン語の意味も、「確かめる」的な感じのよう。残念ながら、まったく関係がない。

次に、Sofronio Calderon’s English-Spanish-Tagalog dictionary was first published in 1915.でも調べてみたが、”manigo”も”nigo”もひっかからなかった。

もしかしたらこれはけっこう深い問題かもしれない。ネットで公開されている古い辞書で見つけられない以上、あとは大学図書館やフィリピンの国立図書館なんかに行かないと調査はできないのでは、と思う。辞書や本での初出はいつなのだろう。埒が明かないので今後の課題としたい。

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テルナテ島で話されていた言語はテルナテ語だったという当たり前の話

チャバカノ語のルーツをたどる研究メモ。

日本人でチャバカノ語を研究している人が歴史的にほぼ皆無な中で、鶴見良行は昭和の時期にサンボアンガやコタバト等を旅していて興味深い記述を残している。彼は著作がたくさんあるので、少しずつ読んでいくことにする。今回読んだのは、この本。

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P193-194に、ハルマヘラ(Halmahera)マルク州北部の島。テルナテ島は、この属島。
ウォーレスを含めて、当時の書物は、ハルマヘラをGiloloと記しているが、これはトベロ族の村名で、ジャイロロと発音する。かねてよりの疑問氷解。トベロ語は、マラヨ=インドネシア語系とはまったく異なるという。

との記述あり。「テルナテ」はカビテ州にある町の名前でもあるのだが、もともとはこのインドネシアのテルナテ島の王族がポルトガル人によって追い出され、カビテに住み着いたのが由来とされている。テルナテには「テルナテーニョ」というチャバカノ語が残っており(ただし絶滅しかかっているが)、サンボアンガのチャバカノ語と意思疎通できるぐらい類似しているため、元は共通の言語だったと推定されており、マニラやカビテからサンボアンガに伝わったのだろうと考えられている。

俺のかねてよりの疑問は、追い出されたテルナテの王族の母語は何だったのだろう、ということだったのだが、テルナテ島がハルマヘラ島の属島という情報を上記著作から得たことで自分で言語状況を検索してみる気になった。

英語版ウィキペディアを見ると、たしかにテルナテ語(テルナタ語)というのがあって、ティドーレ(tidore)語、トベロ語等と同様にマラヨ語系とは系統が違う西パプア系とある。ということは、やはりテルナテ語はタガログ語とは全然似ていないことになる。

もう少し調べてみるに、オランダの学者Van Der Veenは北ハルマヘラ諸語(North Halmaheran)について、非オーストロネシア(=NAN)諸語の中でも、異民族との接触のためかテルナテに近づく程SOVからSVOに変る傾向が顕著と述べている。語順が変わっていくという話は、それはそれで面白い(たとえばフィリピン諸語と現代マレー語は同じアウストロネシア語族なのに語順が違う)。

最後に、テルナテ島のビデオがyoutubeで観られるのを見つけたのでそれを紹介して終わりにしたい。テルナテ島は大航海時代には地理的にとても重要だった場所なので、観光資源はやはり遺跡。下は、テルナテ王宮を紹介したビデオ↓

また、テルナテ島には北マルク・ムハマディア大学という大学があるそうで、そこには日本語学習者もいるんだとか。用事はないが、親近感がわいたので、いつか行ってみたい。
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/201210/article_4.html

フィリピン年末の爆竹・花火・祝砲による事故が激減

フィリピンで毎年恒例になっていた年末年始の鳴り物花火類(爆竹・花火・祝砲)などによる事故が激減しているらしい。

大きな音を立てる習慣は中国起源のもので、もともとは悪い霊だか悪魔だかを退けるためという。今では単にお祭りごとを口実に騒ぎたい人に利用されているだけのような印象。とにかく伝統的な習慣ではあるものの、2016年にドゥテルテ大統領が全国的な禁止令を出して取り締まるようになっていた。

結果、2018年1月1日を迎えるタイミングでの事故数は前年比45%減(191件)。12月21日から年末までの期間でみると、去る5年間(2012年末~2016年末)平均と比べて77%減とのこと。最も喜ばしいことには、今回の年末年始にはこの関連での死者が一人も出なかったそうだ。これは快挙。

(↓英語記事)
https://www.rappler.com/nation/192659-doh-new-year-2018-firecracker-related-injuries

鳴り物花火類を禁止するドゥテルテ大統領の政策は、自身がダバオ市長を務めていたときに同市で実施して成果を上げていた。同市では、旧正月を含む新年には鳴り物花火類の代わりに、プラスチック製のラッパのおもちゃなどが音を立てるために使用されている。

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ミンダナオを襲った台風ビンタによる死者が200人超え

昨日、2017年12月23日はミンダナオ北西部で熱帯高気圧から台風に代わったビンタ(Vinta)が猛威を振るい、各地で大きな被害を残していった模様。

フィリピンの英字紙”Inquirer”によれば、この台風による全島での死者数は200人を超えた。記事が出た時点で行方不明者はさらに150人ほど報告されているとのことなので、300人を超えるかもしれない。

(↓英語記事)
https://newsinfo.inquirer.net/954835/breaking-weather-vinta-pagasa-death-toll

ちなみに今回の被害地域には、つい最近までテロで掃討作戦が行われていたマラウィ市も含まれている。ミンダナオ最大の都市ダバオ市も、いかんせん市域が広いので川沿いを中心に被害を受けているようだ。

ところで同12月23日には、ダバオでは中心地にあるショッピングモール”NCCC”で火災が発生し、37人が死亡した。下の記事によれば原因はテロではないようだ。台風との関連があるのかは不明、おそらくないだろう。

(↓参考記事)
https://www.cnn.co.jp/world/35112409.html
https://davawatch.com/articles/2017/12/23/7305.html

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