アブサヤフに人質にとられていたオランダ人が死亡した件ほか

アブサヤフ掃討の軍事作戦が続いているスールーで、作戦中の去る5月31日にオランダ人の人質、Ewold Horn氏(59)が死亡したことが発表された(参考英語記事)。
彼は2012年に、バードウォッチングのためにフィリピン人ガイド(Ivan Sarenas氏)とスイス人(Lorenzo Vinciguerra氏)とタウィタウィを訪れていたところを拉致された。その際、フィリピン人ガイドは逃げることができ、またスイス人の方は2014年に脱出していた。

なお、それに先立つ今年4月には、人質のインドネシア人1名が脱出した。しかし、一緒に逃げようとしたもう一人のインドネシア人は溺死し、また別に逃げ出したマレーシア人1名は撃たれてしまった。
https://www.voanews.com/a/philippines-abu-sayyaf-hostage-escapes/4864513.html

この記事ではまだあと2人フィリピン人の人質がいる、とされている。

また、5月25日にはスールー州ホロ島パティクル(Patikul)で,アブサヤフの武装集団約30人が地元のコミュニティを襲撃し,子供2人が死亡,住民3人が負傷。その後,応戦した国軍との銃撃戦でASGメンバー6人が死亡,兵士3人及びASGメンバー7人が負傷した。

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世界の裁判見て歩こう

タイトルにあるように外国語学習の本には違いないのだが、ノウハウは書いていないちょっと珍しいタイプの本。

「世界の裁判見て歩こう わたし流外国語上達法」山中信彦(2018)

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正直、書籍にするほどの内容ではないと思うが、それにしても書かれている情報は珍しい。アメリカ、イギリスをはじめフランスやドイツ、ロシアなどの裁判所でいろんな国の裁判を傍聴し、あるいは傍聴しようとした、という記録。著者はどうもモテない男性であることを前面に出して書きたかったようで、女性の読者にはキモイと思われるような内容もあるのではと個人的には思う。

現在世界で支配的な法律やら裁判所のシステムというのは西洋のものが土台になっているので、世界中で理解不能なほど違うということはおそらくなく、基本的な部分が同じであればその国の言葉がそこまでわからなくても登場人物の役割やおおまかな流れ自体は類推できるところが多く、言語に通じていなくても理解の助けになるよう。

さらに、本物の裁判所は通常テレビには出てこないので、現地に行ってしか見れない、という旅行の醍醐味もある(ただし、国によっては、ほんの一部ネットで見れたりもする)。いろいろな国で傍聴していれば、裁判のやり方はもちろん、傍聴に来る人たちの雰囲気の違いも比べられて面白いだろうと思う。

まずは日本でいろいろと傍聴して学習したあとに、海外に行って傍聴するのがよいと思う。少なくとも中級以上でないと聞き取りも、職員とのやり取りも難しいだろうから、かなり自信がつくようになってからようやく挑戦できる趣味だと思った。俺もいつかやってみたい。

忘れられた日本人

「忘れられた日本人」宮本常一(1955)

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鶴見良行や高野秀行の本を読んでいたら出てきたので読んでみた。古い本だからどうせ読みにくいんだろうと思って期待していなかったら、出だしからすごい。

明治を生きていた人たちなんて、宮本が執筆した時点で「忘れられた日本人」だったわけなので、現在からすればほとんど中世の人々と大差ないほどの心理的距離感。それを現代的な視点で観察し記録してくれたことに、一読者としては感謝しかない。

また、夜這いや村の女性のエロ話についての記述は昔読んだ赤松啓介の記述とも一致しているように見え、やっぱり本当だったんだなぁ、と思ったりしました。昔の日本人のノリというか性格というか、雰囲気は現代日本に生きる我々には想像しづらいのだけど、高野秀行も言っているとおり途上国に行ってそこで生きている、本なんか読まないようないろんな人々たちと交流していればイメージを得る助けにはなると思います。

宮本常一の他の本もぜひ読みたい。

使える語学力

多言語学習の本のレビュー。

最近、日本人でも若いポリグロット(多言語話者)が外国語学習または多言語学習ガイドを書くようになっていて、動画など同時代的な学習方法も紹介しながら誰でも(理論上は)できる学習法が簡単に手に入るようになった。

「使える語学力 -7ヵ国語をモノにした実践法」橋本陽介(2015)

方法論の紹介もさることながら、最近のガイドは筆者を不必要に高い位置に置かずに、自らの限界を認め読者の手の届くところにいるように感じさせるような記述があるのが特徴と思う。例えば、「モノにする」というのはネイティブレベルになることとは全く違う、とか、実際に「モノにした」筆者も、久しぶりに話す言語では勘が戻るまでに一定程度の時間がかかる、とか。

また、『「できない」と言っている人は絶対量が全然足りてない』というような、同時代の同朋に対する厳しい指摘が見られる点など、昔の偉い方々ならわざわざ書かないような記述もあったりする。

この本の著者の橋本は文学が専門の大学の先生ということで、学者の書いた真面目な本ではあるわけだが、同時に彼は高校で中国語等を教える教師でもあったわけで、進学校の大学受験に相当に近い距離にあった自身の体験を踏まえて日本の受験のどこが外国語習得にとって害をもたらしているのか、を主張している点などアドボカシーの要素も入れているのも非常にユニークで面白い。

さて、彼の外国語学習ガイドでは『「使える外国語」にするための3つの大原則』が紹介されていて、それぞれ
1 「音声」を覚える。
2 その言葉が使われている「状況」(いつ、どこで、どのように)を覚える。
3 「能動的学習」を追加する。

である。3などは、日本人にしか必要ないのではないかというような項目である。それほど、現状(平均的に)日本人の学習スタイルは受け身なんだろうなぁ。

これはようするに、日本の学校教育の中での外国語教授の反対をやればいい、ということ。となれば、結局は日本なんかにいないで海外に行ってストリートで修業してくるのが一番、という結論になるし、実際に筆者もそうやってコツを身に着けたと書いてある。なので、読者もそうすればよい。

もちろん日本でもできることはいっぱいあるだろうけれども、もし是が非でも日本にいなければいけないような人なら、どのみち外国語なんて学習しても使うチャンスはないんじゃないかと思う。だから、思いきって一人で行ってきて、自分なりに反省してどんどん能動的に自分のやり方を積み上げていけばよい。

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セブパシの預け荷物オプションから15kgがなくなっている件

しばらくセブパシに乗っていないのでしばらく気づかなかったが、いつの間にか預け荷物オプションから15kgがなくなっており、スタンダードが20kgになっていた。日本とフィリピンを結ぶ線だけでなく、国内線も同様。その他の国際線は見ていないが、おそらく同様だろう。

さらに、預け荷物のオプションを出発のちょっと前に購入しようとしたら、行きと帰りで若干金額に差があった。たとえば国際線では、差額は300円あった。推測だが、出発日に近づけば少し高くなるのではないかと思う(逆に言えば、チケット購入時に一緒にオプション購入すれば割引があるのではないか)。

今日見たプロモのお知らせでも、同じようにチケット購入時に荷物オプションも購入すれば割引がある、と書いてあった。数年前まではいつ荷物オプションを追加しても同じ金額だったから、出発が近づいてから購入するようにしていたのだが、たしかに2回決済するのはめんどくさいし、これからはチケット購入と同時に荷物オプションも買うようにしようかなぁ。

マニラのMRT3の荷物検査で手りゅう弾を所持した男を逮捕

どういう人物かは不明だが、去る2月24日に、メトロマニラのMRT3のクバオ駅で、手りゅう弾を所持した男が電車に乗ろうとして荷物検査を通過したところ、X線の機械で見つかって現行犯逮捕された。

参照(英語記事)↓
https://www.philstar.com/headlines/2019/02/24/1896392/mrt-3-passenger-arrested-possession-grenade

もし通過していたら、やはり電車を爆破するつもりだったのだろうか。報道によれば捕まった男はファーストネームが「クリスチャン」で、キリスト教徒のような感じがする。なんにせよ現時点では情報が少なすぎるので、捜査の進展を待ちたいところ。

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タガログ語の”hugot”とは

タガログ語の日本語解説はあまりなく、かつ若者言葉となると大学の先生方が書くような解説には世代的に載っていない。
“hugot”もそのひとつ。もともと”hugot”には、um動詞”humugot”で「引く、引き抜く」という意味があったが、メディアの影響によって新しい意味が定着したようだ。

定義としては、だいたい「メッセージ性があり、ひねりの効いた一文」という感じだと個人的には理解しているが、例えばitaki.com(言語学習ウェブサイト)の質問コーナーの2015年の回答(参照)や、hinative(言語学習者の質問にネイティブが回答するウェブサイト。日記添削サイト”lang-8.com”の後継)の2017年の回答(参照)には歌詞だったり「(格言・名言としての)引用」も含む、とある。そんな感じ。

初出はどうやらコメディアンのバイス・ガンダ(日本でいえば往年の明石家さんま的なトーク力のあるタレント)のようだが、もともとはライバルであるGMA(民放)の番組でやっていたようだ。その頃は”pick-up line(s)”と呼ばれていたものが”hugot line(s)”となり、今に至ると思われる。

ちなみに、現大統領のドゥテルテが当選した大統領選にも出馬していた、故ミリアム・サンティアゴ上院議員はこの名手であり、本も出している。

Stupid Is Forever
Stupid Is Forever

posted with amazlet at 19.02.14
Miriam Defensor Santiago

例として、2013年のバレンタインデーにマニラのフィリピン大学で行ったスピーチの動画が以下↓

その後、”hugot”と呼ばれるようになり俺がダバオにいた2015年には既に流行っていた。ということで、流行りだしたのは2013から2014年頃だろう。

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