VoiceTraでフィリピン語(や、その他アセアンの公用語)

AIに関する国立の研究機関が開発した”VoiceTra”という自動翻訳アプリが、無料なのに優秀。アンドロイド版もiphone版もあります。

精度は高いし、自動翻訳した訳文を再翻訳して提示してくれるというデザインもステキ。それに、会話用に入力・出力言語がワンタッチで切り替わるようになっているのも便利。

試しに自分のわかるいくつかの言語で使ってみたところ、google翻訳よりよさそう、と思うぐらいでした。
さらに、マイナー言語の学習用にも使えそう。ちなみにタガログ語は「Pilipino フィリピン語」で出てました。本当はPilipinoだと「フィリピン人」のことで、言語はFilipinoなんですが。音声はフィリピン語(タガログ語)は今のところ対応してないのでテキストのみです。

一方、英語などのメジャー言語はもちろんインドネシア語やタイ語でも、機械翻訳したあとに音声を読み上げてくれるので、いい練習になります。

とりあえずスマホに入れておいて損はないと思います。

やっぱAIすごい、と思いました。

パターン認識と機械学習の学習―ベイズ理論に負けないための数学
光成 滋生
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ウンコな議論

最近読んだ本。

「ウンコな議論」>ハリー・G. フランクファート (2005=2016)

ウンコな議論 (ちくま学芸文庫)
ハリー・G. フランクファート
筑摩書房
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本の解説はウィキペディアでも読んでいただくことにして、俺は読後の連想について書きたい。

「ウンコな議論」は内容なんか無視して、とにかく適当にはぐらかして自分の有利な方向に議論を持って行くためのストラテジー。行間を読ませるための暗号文のようなものでもあるわけで、「何故ここでそれを言う?」のかわからなければ何を示唆したいのかわからない。

このように人間でも洞察力によって解釈がわかれてくるという微妙なニュアンスを運んでいるから、高度なメタファーよりもさらに難しく、おそらく今流行りのAIも相当苦戦するだろう。最後の砦かもしれない。

さて、大人の世界には「ウンコな議論」が盛りだくさんだが、人は無意識的に、これに対する耐性を「大人度」を計る指標として使っているのではないだろうか。もっとも、ここでいう「大人」は、若者が嫌う、つまらない大人だ。政治家や弁護士はもちろんだが、世渡りで出世を狙う人や、公務員にそういう人が多そうな気がする。

逆に、先進的な起業家やら研究好きな人やスポーツ選手や芸術家など、ことの本質に迫るのを生業としている人は、ひたすらこのウンコを避けて通ろうとするのではないかと思う。本質を無視した時間の無駄だから。

2013年のサンボアンガ危機の犯人一味のうち、97人が釈放された

MNLFの2013年のサンボアンガ危機の犯人一味197のうち、97人が5月28日に釈放された。基本的にバシランとスールー出身の男たちで、女性は1人のみとのこと。最終的に、彼らには一人5000ペソの罰金が科されただけにとどまった。

残る一味のメンバーは100人で、もっと罪の重い中核メンバーと思われるが、それにしてもこの97人に対する罰の軽さは被害者を落胆させていることは間違いない。そもそも、MNLFのリーダーであるヌル・ミスアリは部下の一部が「暴走」したのに勾留すらされておらず、もちろん責任もとっていないのが流石フィリピンというか、外からは理解しづらい部分だと思う。

(参考英語記事↓)
http://news.abs-cbn.com/news/05/28/18/court-frees-97-mnlf-members-in-zamboanga-siege
https://www.philstar.com/nation/2018/05/28/1819430/zamboanga-city-guard-96-charged-over-siege-freed

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東大発の日本人ポリグロット

日本人のポリグロット(多言語話者)について調べてみたら、やっぱり東大卒が多かった、という話。

おそらく一番の大天才は南方熊楠(東大というより、その前身だが)で、もちろん戦前戦後の言語学者の面々がおり、中でもチェコ語研究の千野栄一は「外国語上達法」という新書本も出している。

「外国語上達法」千野栄一(1986)岩波新書

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言語学者以外では、法学の和仁陽
は、東大時代から(英語はもちろん)ドイツ語など8言語ができた、と講談社現代ビジネスのウェブサイト記事にはある(参考

新しいところでは、つい最近まで大学生だった秋山燿平(参考)は薬学部出ながら言語習得に熱中し、10言語近くを正攻法で中上級(B2)まで習得し、この3月にダイヤモンド社から本を出している。

「純ジャパの僕が10カ国語を話せた 世界一シンプルな外国語勉強法」秋山燿平(2018)ダイヤモンド社

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日本では、英独仏中韓は教科書類が相当充実している印象で、それに西葡露が続くというのが俺の印象(それにおそらくラテン語も)。これらの言語は検定があり、その対策本などがあるため独習も比較的スピーディにできる。逆に、東南アジア諸言語に関しては、まだまだ種類も少なく、先人の残した資料から学ぶというより、自分で道を切り拓く覚悟でやらないとけっこう難しい。

それだけが理由ではないだろうが、日本人ポリグロットで東南アジアの公用語を網羅した人はまだいないよう。というか、世界にそういう人がいるのかも俺は知らない。中国人にはすごい人がいそうな気もするので、また別の機会に調べてみたいと思う。

2019年1月から日本も出国税が課されるようになる件

昨日、新税が成立した。それによれば、2019年1月から日本を出国するときに1人1000円の「出国税」が課されるとのこと。いつからか知らないが、今後、航空券の代金に含まれるようになるらしい。

http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000124881.html

たとえばせっかくLCCで航空券が5000円だとしても、空港使用税とこの出国税で、3~4000円になってしまうぽい。残念だが、日本政府的には日本人には海外よりも国内旅行をしてほしいだろうし、近年急増している観光客からもお金を1000円ずつ余計に集められるわけだから一石二鳥。

出国税自体は、たとえばフィリピンでも「トラベルタックス」という名前で1620ペソ(ファーストクラスだと2700ペソ)徴収している。ただし、フィリピンの場合は外国人観光客は徴税の対象になっていない。国として外国人観光客をなんとか増やしたいわけだから、当然。

一方の日本は、昨今外国人観光客が増えすぎて国内が混乱気味ですらあるので、とりあえず1000円からの出国税で影響がどの程度あるのかみてみよう、ということなのだと思われる。私見だが、今後場合によっては、消費税と同様に外国人観光客は免除対象、という方向もあり得るのではと思う。それこそ日本旅行ブームが去って、外国人観光客をなんとか増やしたいという普通の国に戻れば。

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サンボアンガ・シブガイ州で地元女性が拉致された件

去る4月4日、サンボアンガ・シブガイ州(サンボアンガ市ではなく、サンボアンガ半島の付け根の方)マランガスで、地元の海産物ビジネスに従事する38歳女性が7人の武装した男たちに拉致された。

(参考:英語記事↓)
https://news.mb.com.ph/2018/04/04/businesswoman-kidnapped-in-zamboanga-sibugay/
https://www.philstar.com/nation/2018/04/05/1802838/woman-kidnapped-sibugay

その後、3日経った時点で関係者と見られる6人が投降したが、捜査は進んでいるか定かではない。
https://www.philstar.com/nation/2018/04/08/1803831/sibugay-kidnapping-6-suspects-surrender
https://news.mb.com.ph/2018/04/07/6-bandits-surrender-in-zamboanga-sibugay/

この界隈は長らくアブサヤフが活動している地域なので、その関連の可能性がある。ただし、メディアは今のところ不明と表現している。

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日本の地方自治体が出す証明書の翻訳証明

日本における行政文書の翻訳についてのメモ。

日本の役所でとる証明書は現状、日本語でしか出してくれない。どうも法令でそうなっているよう。その点、台湾内の一部の役所が英語で証明書を発行したりするのとは大違い。

ただし、俺の知る限りでは以下の4つの役所は独自のシステムとして、役所で英訳フォームを用意しており、利用者が自分で翻訳したものを確認して証明/認証くれるよう(2018年3月現在)。
東京都練馬区
西宮市
東大阪市
福岡県大野城市

上記の役所でも英語以外の外国語には対応しないようだし、他の自治体では翻訳会社や翻訳をやっているNPOや国際交流協会などを紹介するだけにとどめている。ここに典型的な例をひとつだけリンクしておく(東京都千代田区)。

ちなみに在外公館では国によっては大使館で翻訳というか、戸籍謄本を持って行ったら英語で「出生証明書」という文書にして発行してくれるところもある。たとえばフィリピンの日本大使館では、戸籍謄本を持参して英文の婚姻要件具備証明書を発行してもらい、それを現地の自治体の役場に持っていく、とか。ほかにも現地で運転免許証の切り替えを行うのに、日本の免許証を持参して大使館で英語の証明書をもらったりしなければならない。

おそらく、在外公館は外務省の管轄なので地方自治体を縛っている規則とは別の原理で動いているからだろう。

一方で、先の4つの自治体のように公文書の翻訳証明(翻訳が正しいという証明)を行う在外公館もある(在ニューヨーク総領事館)。

加えて、ロシアなどでは公証人の代わりに署名証明もするようだ(在ロシア領事館

このような在外公館の機能は逆もまたしかりで、日本にある外国大使館では同様のサービスを行っているところもあり興味深い。たとえば在日本タイ大使館のウェブサイトでは翻訳用フォームがアップされているし、フィリピン大使館のウェブサイトにも、独自のフォーマットで戸籍謄本を部分的に英訳するためのフォームが入手できる(もちろん翻訳会社に頼んで英訳してから持って行ってもよい)。たくさん国があるので、調べればもっと面白いサービスをやっている外国大使館もあるのではないかと思う。

おまけ。戸籍謄抄本の海外からの郵送請求について。
東京都港区神戸市などは一定の条件の下で、海外から戸籍謄抄本の郵送請求ができるとウェブサイトに明示してある。