ミンダナオのISIS(マウテグループ他)のその後

去年ミンダナオ中部にあるマラウィ市を占拠したISISことマウテグループその他だが、マラウィ市が解放された後も根絶はされておらず、300名以上が各地でリクルート活動等を行っているとのこと。彼らはリーダー亡き後10の小集団に分かれているという。

ラップラーの英語記事によれば、現在彼らの新しいリーダーは”Abu Dhar(アブ・ダル)”という者で、40代だそう。同記事は、今年の1月にもマシウという町で国軍とISISとの衝突があったこと、また3月4日にはこのグループのサブリーダーの一人が妻ともども爆発物不法所持のかどでマニラで逮捕されたと伝えている。

このようにフィリピンでもテロには引き続き警戒が必要で、特にマニラやセブ、ダバオ等の大都市でテロを画策している輩がいると思っておいた方がよさそうだ。

(英語記事↓)
https://www.rappler.com/nation/197457-maute-isis-subgroups-abu-dhar

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公印確認とアポスティーユ

証明書翻訳のことで、いろいろとわかりにくいのでメモ。

今回は公印確認とアポスティーユについて。

日本の外務省ウェブサイトによれば、
アポスティーユとは、「外国公文書の認証を不要とする条約」(ハーグ条約、1961年締結)が定めているもので、Apostille(証明文)というフランス語です。日本とロシアはこのハーグ条約に加盟しています。

ハーグ条約第3条によると、「条約加盟国には、この署名の真正、文書の署名者の資格及び場合により文書に捺印されている印章の同一性の証明用として要求することができる唯一の手続当該書を発行する権限のある当局があり、この当局の付与する証明文は認証が不要とする」とあります。日本の場合、上記の「権限のある当局」とは、日本外務省です。日本の書類に対するアポスティーユは、日本外務省領事局領事サービスセンター(証明班)(電話番号: 03-3580-3311(代表)、住所:〒100-8919東京都千代田区霞ヶ関2-1-1)、または大阪分室(電話: 06-6941-4700(直通)、住所:〒540-0008大阪市中央区大手前2-1-22)で取得することができます。さらに、東京と横浜の殆どの公証人役場で取得することができます

ということ。ようは、ハーグ条約に加盟している国の間では、認証が不要であり、その代わりにアポスティーユで足りる、ということ(ただし若干の例外もある)。逆に言えば、ハーグ条約に加盟していないフィリピンのような国では、領事認証が必要。

そしてたとえハーグ条約加盟国であっても、日本では普通日本語でしか証明書を出してくれないため、外国で使う際には翻訳文もつける必要があり、この翻訳文というのが公文書でなく私文書なので、結局たくさんのステップが必要になってしまう。

具体的には日本でこれをする場合、(1)翻訳者が公証役場で公証してもらい、(2)法務局でそれを公証人押印証明してもらって公文書にし、(3)外務省でアポスティーユをつけてもらう。

または、フィリピンのようにハーグ条約に加盟していない国では、(1)翻訳者が公証役場で公証してもらい、(2)法務局でそれを公証人押印証明してもらって公文書にし、(3)外務省で公印確認してもらった上で、(4)フィリピン大使館で領事認証してもらう。

となる。なんだかめちゃ繁雑。。

ところで、1961年の「ハーグ条約」はアポスティーユ関連だが、ハーグ条約には1980年のものもあり、そちらは「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約」で、まったく別モノ。これはこれで、フィリピンでは15歳未満の子どもが親権者でない人と海外に行くとき(とダバオから国内線に乗るとき)に、親が事前に同意していることを証明しなければならず面倒な手続きがある(日本からフィリピンに行くときも同様)。フィリピンではこの証明書はWEG(Waiver of Exclusion Ground)と呼ばれている。

さて、少し脱線してしまったので本筋に戻ると、アポスティーユにせよ外国大使館での領事認証にせよ、提出先が求めていなければ必要ない。なので普通、大使館に出すビザ申請のような書類だと関係がなく、求められるとすれば外国での裁判とか、それぐらい大ごとなことでしょう。

提出先の求め、ということで言えば、自分で翻訳してもよかったりするところもあれば、第三者とかプロまたは法人じゃないとダメとかいろいろある。本当に、日本政府や自治体が最初から外国語(特に英語)で発行してくれれば話は早いのに、といつも思います。

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windowsのwifiがいきなりつながらなくなったので対処した件(2018年2月)

昨日、俺が持っているネットブック2台が、同じ日に両方ともつながらなくなるという奇妙な事態が発生した。これまた奇妙なことに、対処法が2台とも同じだったので、ここにメモしておきたい。

1台は2016年に買ったLenovo ideapad300で、windows10、もう1台は2014年に買ったASUSでwindow8.1。

なんかwifiがつながらない、と思ったら案の定、中に入っているwifiデバイスが無効になっていた。最近のウィンドウズは「設定」があるが、コントロールパネルの代わりになりそうで、結局ならない。

しょうがないので、頑張って探して「コントロールパネル」「デバイスとプリンター」>「デバイスマネージャー」を開く。

で、wifiに関するデバイスを見てみると、変なマークがついている。

右クリックで開いてみると、「有効にする」というのがあるのでそれで有効にすればOK。

それにしても、オフにしてないのになんで勝手に無効にされるのか、理解に苦しむ。。

円高なだけでなくペソ安なこの頃(フィリピンペソ)

第二次安倍政権になって異次元緩和やらが始まって久しいが、結局また円が高くなってきている。もちろん米ドルに対してもそうなのだが、対フィリピンペソの動きをみるとこれまた久々に0.50に届きそうな勢いだ。

フィリピンペソの動きをよく見ると、実は円に対してだけではなく米ドルに対しても52と、かつてない安さになっている。たしか、トランプが政権につくちょっと前から下がり始め、今年に入ってから一段と下げた感じだ。ようは、ドゥテルテが大統領になってから順調に下がってきているということになる。

今年に入って、所得税を含む税制改革が施行されたのが原因だとすると、今度も下がり続けるのでは、という予測も成り立つ。もう少し様子をみてみたい。

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スールーで比人エンジニアが拉致された件

3日前のニュースになるが、スールーのホロで地元のフィリピン人エンジニア1名が拉致された。スールー諸島はフィリピンとマレーシアの境目のところにあり、ホロはその中心地。下の記事によれば、犯行を行ったのはアブサヤフの可能性があるという。

参考記事(英語)↓
http://news.abs-cbn.com/news/02/14/18/dpwh-engineer-abducted-in-jolo

スールー諸島は今ではフィリピン人ですら、よそ者はガイドなしには入らないようなところ。だが80年代ぐらいはまだそこまでではなかったよう。80年代には鶴見良行がフィールドワークで訪れ、「マングローブの沼地で」等の著作に記述を残している。

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アブサヤフが人質にとったインドネシア人2名を解放していた件

ここのところ忙しくてウォッチしていなかったのだが、2016年11月にタウィタウィで拉致されたインドネシア人2名が、1月23日に解放されていたことがわかった。

英語記事↓
http://newsinfo.inquirer.net/962262/abu-sayyaf-frees-2-abducted-indonesians-who-are-now-with-sulu-gov

昨年11月20日の時点から他に動きがないと仮定すると、現在拉致された状態になっているのは、ベトナム人6名、インドネシア人3名、オランダ人1名、フィリピン人5名の計15名ということになる。

ちなみに2010年に拉致されたとされる日本人の伊藤敏雄はアブサヤフの一員として活動しているとみなされており、この中には含まれていない。
(参考記事↓)
https://www.news-postseven.com/archives/20161114_465749.html

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Manigong bagong taonの”manigo”について調べてみた

タガログ語の「あけましておめでとう!」は”Manigong bagong taon”ということになっているが、”manigo”という形容詞はフィリピンに住んでいても日常生活で聞くことは皆無。ということで、何なのかちょっと調べてみました。

まず思い当たったのは英語の”Happy new year”。これに対応しているとすると”happy”という意味なはず。

ただ、西暦を使いだしたのはスペインの植民地時代だったはずなので、スペイン語に対応している方が可能性としては高そうだ。現代スペイン語では新年の定番挨拶文句は”Prospero año nuevo”なので、”prospero”の部分かもしれない。”prospero”は「栄える」というような意味。

普通に使われるタガログ語では「栄える」は”maunlad”。これよりもうちょっとディープな感じ(ディープ=malalim=文語あるいはバタンガスやブラカンの方で使うタガログ語、というニュアンス)がする言葉に”masagana”があるが、さらにそれより古風な言葉なのかもしれない。

実際、フィリピン人の間でも”manigo”の意味については特に若者にはよく知られていないようで、ネット上では「調べてみた」的な記事がいくつもある。
そこでの説明によると、やはりスペイン語の”Prospero”に対応しているという説が最も有力。ただ、オンライン辞書によっては”happy”も”prosper”も両方載っていたりしてはっきりしない。

古い言い方であるなら、昔の辞書にはちゃんと載っているのではと思い、試しにgoogle booksに上がっている古い辞書“Vocabulario de lengua Tagala”
(1754=1860)で調べてみた。すると、p206に”NIGO”があるにはあるが、”NIGÖ”の”O”のところにアクセントマークがあり、上記の”manigo”とは音的に別のよう。一応、記述を見てみると、

NIGÖ. pp. Acertar á lo que se tira. Vm, irse haciendo certero. En que, Naninigoan. Nag-
papanigo, probar vetura. Canigoan, abstracto. La causa de acertar. Y, l. Ica

説明がスペイン語で何が書かれているか以前に、”ma”形容詞としての使用法すら書いていない。どうやら”nigó”は動詞の語根のようだ。
“acertar”の現代スペイン語の意味も、「確かめる」的な感じのよう。残念ながら、まったく関係がない。

次に、Sofronio Calderon’s English-Spanish-Tagalog dictionary was first published in 1915.でも調べてみたが、”manigo”も”nigo”もひっかからなかった。

もしかしたらこれはけっこう深い問題かもしれない。ネットで公開されている古い辞書で見つけられない以上、あとは大学図書館やフィリピンの国立図書館なんかに行かないと調査はできないのでは、と思う。辞書や本での初出はいつなのだろう。埒が明かないので今後の課題としたい。

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