マニラに出張で到着した日本人社長が、すぐに撃たれて亡くなった事件

デュテルテが就任してから9カ月。フィリピンの治安が良くなったようには到底思えない、またこんな事件。

「マニラで車に銃撃、愛知県の男性死亡 仕事で到着直後」2017年4月21日付
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170421-00000047-asahi-soci

フィリピンは、マニラがダントツに危ないです。マニラの中でも危ないエリアはわりと決まっていて、マニラ市をとりあえず避けておけばそれだけでかなり安全な旅ができます。もうひとつ言えば、ニノイアキノ国際空港の第一ターミナルも避けてほしい場所です。普通の国際線は第一ターミナルに到着してしまうのだけど、たしかANA、PALとセブパシフィック等は他のターミナルだったと思います。

クーリエジャポン「元イスラム武装勢力と「平和のソバ」を作る日本人を訪ねて」

今日はアブサヤフ関連でこそないが、ミンダナオ島中部を拠点にするイスラム過激派(だった?)MILFと日本人実業家の記事の紹介。

クーリエジャポンのウェブサイトに2017年3月16日付でアップされた
元イスラム武装勢力と「平和のソバ」を作る日本人を訪ねて
が興味深い。

MILFはまだ一部が国軍と衝突することもあるようだが、本体に関しては2015年のミンダナオ和平に関する合意の後、「バンサモロ自治政府」という新たな行政枠組みを作るべく政府と協議を始めている。というか、2016年にその基本法が策定される予定になっていたのが国会で承認されず、新たに作り直し始めたところ。

ミンダナオ和平に関しては日本政府がJICAを通じていろいろと支援をしていて、上の記事にも少し出ているが元兵士の雇用の保障も大いに気にかけたい部分だろうと思う。というのも、経済がダメだからゲリラに入る、ゲリラがいて危ないから投資ができない、新規投資がないから経済がますますダメになる、という負のスパイラルがミンダナオ中部では顕著だからだ。

その点、フィリピン初のミンダナオ島出身大統領であるデュテルテも力を入れているであろう分野で、これからダバオに日本からの直行便が就航したり外国投資を招いたりする上で、周辺地域の治安問題(イスラム過激派だけでなく共産ゲリラや一般犯罪も)は早急に対応が必要。特にダバオはつい最近テロが起きたばかりで、2年前にはすぐ向かいのサマル島リゾートでも外国人誘拐事件が起きたこともあり、いくら大統領のお膝元といえども全く気が抜けない(これらの事件については「ミンダナオ治安(テロ関連)」を参照。

ミンダナオ島は全体としてまだまだ未開発で、特に大部分ではフィリピンなのに台風の影響がほぼないという自然環境に恵まれた場所でもある。デュテルテが大統領の間にぜひ大きく前進させてほしいところだが、イスラム地域の政治はかなり厄介そうなので、いかに剛腕の大統領と言えどもどこまでやれるのか今後も注目して見ていきたい。

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マレーシアのサバ州からIS組織戦闘員をミンダナオに送る計画を摘発

去る1月23日、マレーシア当局は、ボルネオ島サバ州からフィリピン・ミンダナオ島にIS戦闘員を送り込む計画を発見したと発表した。
これは、1月13日と19日に行われた逮捕劇で、IS関連分子4名(フィリピン人男性(31)1名、バングラデシュ人男性(27,28)2名、マレーシア人女性(29)1名)を逮捕したことにより明らかになったという。このうちフィリピン人とマレーシアは、13日にクアラルンプール(KL)から飛行機でコタキナバルに到着したところを空港で逮捕されたという。一方、バングラデシュ人2名は19日にクアラルンプールで逮捕された。

(英語記事)
http://www.benarnews.org/english/news/malaysian/is-cell-01232017131917.html

送り出し先予定は、ミンダナオ島南ラナオ州のマラウィ市だったという。マレーシアのサバ州から、セレベス海を挟んだ向かい側にあるミンダナオ島まで、おそらく船で運ぶ計画だったのだろう。その界隈はアブサヤフが頻繁に海賊行為を行っていることでも知られている。

先の記事によれば、ミンダナオには、相互に関連しているISIS関連の組織が3つあるとされていて、文脈から私が判断するに、
Maute group
Ansar Khalia Philippines (AKP)
Al Harakat ul Islamiyah Basilan

と思われる。マレーシア、インドネシア、フィリピンのIS系テロ組織は中東とも連携して活動しており、2016年にはそれぞれのメンバーがyoutubeにも登場している。これらをまとめた英語記事が最近公開された。特にマウテグループの活動について詳しい。

(英語記事)
http://www.rappler.com/newsbreak/in-depth/159609-millennial-terrorism-isis-philippines

ここで登場したフィリピン人は、アンサル・カリファ・フィリピン(Ansar Khalia Philippines (AKP))メンバーのモハマド・レザ・キラムMohammad Reza Kiram(26)で、サンボアンガ市出身だという。

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アブサヤフが新たにインドネシア人3名を誘拐

つい先日にアブサヤフからフィリピン人2名が救出されたところなのに、実は同日にはインドネシア人3名が新たに誘拐されていた。場所は、マレーシアとフィリピンの間の海だという。

(英語記事)
http://www.thejakartapost.com/news/2017/01/20/three-indonesians-kidnapped-by-abu-sayyaf.html

先日のスター紙の記事に載っていた情報から計算すると、人質は今回のを合わせて以下となる。

オランダ人 1名
ドイツ人 1名
マレーシア人 5名
ベトナム人 6名
インドネシア人 7名
フィリピン人 6名

10月あたりに誘拐された韓国人船長が数えられていないのが気になるところだが、私の知らぬ間にもう解放されているのかもしれない。
また、何年も前に誘拐された日本人の伊藤はずっと前から数えられていないものの、アブサヤフと行動をともにしていると見られている。

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アブサヤフに誘拐されたフィリピン人2名を救出

1/19、フィリピン国軍がスールーでの作戦中、誘拐されていたフィリピン人2名を救出した。この2名は2016年10月26日にスールー沖で誘拐されていた。

(英語記事)
http://www.philstar.com/nation/2017/01/19/1664152/jtf-sulu-rescues-two-abu-sayyaf-hostages-indanan
http://www.rappler.com/nation/159013-abu-sayyaf-kidnap-victims-rescued-sulu

スター紙は上の記事の中で、残る人質は以下だと伝えている。

オランダ人 1名
ドイツ人 1名
マレーシア人 5名
ベトナム人 6名
インドネシア人 4名
フィリピン人 6名

10月あたりに誘拐された韓国人船長が数えられていないのが気になるところだが、私の知らぬ間にもう解放されているのかもしれない。
また、何年も前に誘拐された日本人の伊藤はずっと前から数えられていないものの、アブサヤフと行動をともにしていると見られている。

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サンボアンガ沖で漁民8名が海賊に殺された件

1月10日の早朝に、サンボアンガ市のラウド・シロモン島付近で海賊行為があり8人が殺された。事件は、15人が乗っていた漁船に2艘のスピードボードで海賊が襲ったもので、この海賊はアブサヤフと見られる。8名はいずれもフィリピン人で、サンボアンガ市内在住(ちなみにサンボアンガ市はフィリピンで3番目に広大な市である)。

助かった7人は海に飛び込み、泳いで近くの島に逃げることができた。

(英語記事)
http://www.philstar.com/headlines/2017/01/11/1661645/pirates-kill-8-fishermen-zamboanga
http://www.rappler.com/nation/157868-pirates-kill-boat-crew-zamboanga
http://newsinfo.inquirer.net/860972/8-zambo-fishermen-killed-in-attack

ラップラーの記事によれば、1月3日にも2艘のスピードボードで海賊が船を襲おうとしたが、通報を受けた海上警備隊によって阻止されていたという。ちなみにこの船はダバオからサンボアンガに行く途中だった。

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本ブログ内のアブサヤフ関連事件の記録はこちら→ ミンダナオ治安(テロ関連)

マウテグループから町役場を奪回、ミンダナオ南ラナオ州での戦闘

2013年頃からあるフィリピンのテロ組織で、MILFから分かれ現在はIS系として知られるアブドゥラ・マウテ率いる「マウテ・グループ」。去る10月には、ダバオでの爆発事件の容疑者3名が逮捕されたが、このマウテグループのメンバーだと発表されていた。報道を見る限り、この組織の拠点は南ラナオ州で、活動範囲はコタバトやサランガニあたりまで及ぶようだ。ざっくりと言って、中部ミンダナオは治安が悪い、と思っておけば間違いないだろう。

さて、今日はデュテルテ大統領がその南ラナオ州へ視察に訪れた。ブティグ町では町役場の建物を占拠したマウテグループとフィリピン国軍が戦闘を続けていたが、本日ようやく奪回した模様。とはいえ今日の時点ではまだ町から一掃できたわけではない。ちなみに町役場の建物は以前の戦闘の時に廃墟になって以来、役場としては使われていない。

(英語記事)
http://www.rappler.com/nation/154038-maute-main-force-leaves-lanao-town

上記記事によれば、今回の戦闘でのマウテグループ側の死者は49名、国軍側は死者なし。ちなみに今回派遣された国軍の部隊は2013年のサンボアンガ危機のときと同じエリート・チームだという。

ミンダナオでは長らくMNLF、MILFやアブサヤフといった組織が知られていたが、他にもBIFF(Bansamoro Islamic Freedom Fighters)やらJastice for Islamic Movemonetやら、そして最近はこのマウテグループ、それからアンサル・カリファ・フィリピン(AKP)、カリファ(KIM)などたくさんある。すべて、元をたどればアルカイーダと同根で、CIAが支援していたアフガン帰りのムジャヒディンの組織と言われている。