サンボアンガ・シブガイ州で地元女性が拉致された件

去る4月4日、サンボアンガ・シブガイ州(サンボアンガ市ではなく、サンボアンガ半島の付け根の方)マランガスで、地元の海産物ビジネスに従事する38歳女性が7人の武装した男たちに拉致された。

(参考:英語記事↓)
https://news.mb.com.ph/2018/04/04/businesswoman-kidnapped-in-zamboanga-sibugay/
https://www.philstar.com/nation/2018/04/05/1802838/woman-kidnapped-sibugay

その後、3日経った時点で関係者と見られる6人が投降したが、捜査は進んでいるか定かではない。
https://www.philstar.com/nation/2018/04/08/1803831/sibugay-kidnapping-6-suspects-surrender
https://news.mb.com.ph/2018/04/07/6-bandits-surrender-in-zamboanga-sibugay/

この界隈は長らくアブサヤフが活動している地域なので、その関連の可能性がある。ただし、メディアは今のところ不明と表現している。

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スールーで比人エンジニアが拉致された件

3日前のニュースになるが、スールーのホロで地元のフィリピン人エンジニア1名が拉致された。スールー諸島はフィリピンとマレーシアの境目のところにあり、ホロはその中心地。下の記事によれば、犯行を行ったのはアブサヤフの可能性があるという。

参考記事(英語)↓
http://news.abs-cbn.com/news/02/14/18/dpwh-engineer-abducted-in-jolo

スールー諸島は今ではフィリピン人ですら、よそ者はガイドなしには入らないようなところ。だが80年代ぐらいはまだそこまでではなかったよう。80年代には鶴見良行がフィールドワークで訪れ、「マングローブの沼地で」等の著作に記述を残している。

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アブサヤフが人質にとったインドネシア人2名を解放していた件

ここのところ忙しくてウォッチしていなかったのだが、2016年11月にタウィタウィで拉致されたインドネシア人2名が、1月23日に解放されていたことがわかった。

英語記事↓
http://newsinfo.inquirer.net/962262/abu-sayyaf-frees-2-abducted-indonesians-who-are-now-with-sulu-gov

昨年11月20日の時点から他に動きがないと仮定すると、現在拉致された状態になっているのは、ベトナム人6名、インドネシア人3名、オランダ人1名、フィリピン人5名の計15名ということになる。

ちなみに2010年に拉致されたとされる日本人の伊藤敏雄はアブサヤフの一員として活動しているとみなされており、この中には含まれていない。
(参考記事↓)
https://www.news-postseven.com/archives/20161114_465749.html

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7月15日に拉致されたフィリピン4名のうち最後の人1名も救出された

アブサヤフに拉致されたフィリピン人3名が逃走し救出された件の続き。7月15日に拉致されたフィリピン人4名のうち、残っていた最後の一名も8月14日に国軍によってバシランで救出された。

(英語記事)
http://cnnphilippines.com/regional/2017/08/14/Abu-Sayyaf-hostage-Basilan-rescue.html

この事件は、サンボアンガ市在住の6名のフィリピン人の建設労働者が、7月15日にスールーのパティクルでアブサヤフによって拉致されたもの。うち2名は同日国軍によって救出され、3名は8月11日に逃走に成功し国軍に救出されていた。

(英語記事)
http://cnnphilippines.com/regional/2017/07/16/Suspected-Abu-Sayyaf-kidnap-four-workers-in-Sulu.html

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アブサヤフに拉致されたフィリピン人3名が逃走し救出された件

7月15日にスールーのパティクルの小学校で拉致された4名のフィリピン人の建設労働者のうち3名が、8月11日に救出された。下のフィルスターの記事には、彼らのアブサヤフに捕らえられている写真付きで掲載されている。

(英語記事)
http://www.philstar.com/nation/2017/08/11/1727939/3-kidnapped-construction-workers-escape-abu-sayyaf-sulu

ところで、俺もニュースが全部追えるわけではないのでアブサヤフの拉致関係で漏らしてしまっている報道も多いわけだが、そのうちのいくつかの最近見つけたものをここに載せておきたい。

6月8日、セレベス海で2016年12月に拉致された4名のうちの1名を、スールーのタリパオで救出した。ちなみに4名のうち船長は既に去る4月に斬首されている。
5月1日、スールーのパティクルで4月29日に拉致された政府職員2名が救出された。
http://www.sunstar.com.ph/zamboanga/local-news/2017/05/01/troops-rescue-2-government-workers-sulu-539447

他にもまだあるのだろうが、とにかくアブサヤフが特にバシラン・スールー近辺ですごい数の事件を起こしていることは明らか。俺が追っている情報で最新なのは、少し前の情報にはなるが6月18日の時点でスールーに21名、バシランに5名の人質がいるというCNNの記事(参照:アブサヤフに拉致されたベトナム人一名が脱出に成功

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アブサヤフが拉致したフィリピン人7名を殺害した件

最近、アブサヤフによる拉致事件は起きてないと思っていたが、俺の情報収集が甘かっただけだと気づいた。

7月20日に、バシランのマルソ町で7名のフィリピン人木材伐採を生業とする者が拉致され、そして同月30日に遺体が同じくバシランの山中Lantawanで発見された。

(英語記事)
http://www.philstar.com/nation/2017/07/31/1723256/bodies-7-loggers-beheaded-abu-sayyaf-recovered
http://www.rappler.com/nation/177281-abu-sayyaf-beheading-loggers-basilan

上の2紙によれば、拉致された後に殺されたと書かれている。身代金目的ではないようだ。

拉致されたのか海上か陸上かは記事から読み取れない。職業の表示を見る限り、おそらく陸上なのだと思われる。500人近いメンバーがマラウィの戦闘で掃討された今でも、以前としてバシラン以南が物騒なことに変わりはないようだ。。一体、メンバーはあとどのぐらい残っているのだろうか。

(追記:地元メディアでの報道で、拉致されたのはバシラン山中であることが分かった。かつ少なくとも2名はサンボアンガ市在住であることも確認した)

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アブサヤフに拉致されたベトナム人一名が脱出に成功

ここのところドゥテルテ政権によるテロ対策が派手すぎてニュースもなかなか追いきれないのだが、今日は久々にアブサヤフ拉致問題についてのアップデート記事を取り上げたい。

6月16日に、アブサヤフの拠点のひとつであるバシラン島に捕らわれていたベトナム人船員のうち一名が脱出に成功し、国軍に保護された。拉致されたのは2016年11月なので、実に7カ月もの間人質としてつかまっていたことになる。

(英文記事)
http://cnnphilippines.com/regional/2017/06/17/ASG-Vietnamese-hostage-recovered.html

上のCNNの記事では、他に26名の人質がいるとされ、21名はスールー、5名はバシランで、バシランに残されているこの5名はベトナム人の同僚。もっと詳しく言うと、バシランにいるグループはアブサヤフ傘下の”Furudji Indama(フルジ・インダマ)”という名前だそう。

別のニュースによれば、6月17日には爆弾製造担当のメンバーがサンボアンガ市内で逮捕されている(といっても、サンボアンガはフィリピン国内でダバオの次に市域が広大で、現場は町はずれだが)。このメンバーは、インドネシアの過激派テロ組織「ジェマ・イスラミヤ」から爆弾製造の訓練を受けたのだという。

(英語記事)
http://cnnphilippines.com/regional/2017/06/17/aide-aby-sayyaf-leader-isnilon-hapilon-arrest-zamboanga-city.html
http://news.abs-cbn.com/news/06/17/17/close-aide-of-hapilon-arrested-in-zamboanga-city

ここからは私見だが、報道を見ていると、国軍による空爆を含む攻勢によりアブサヤフはかなり弱体化しているように見える。

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