ダバオ市内で共産ゲリラNPA(新人民軍)が工場を襲撃

去る4月29日に、共産ゲリラ”NPA”(New People’s Army=新人民解放軍)がダバオ市内マンドゥグにある、ラパンダイ・グループの包装工場を襲撃した。今のところ死者は出ていないが、警備員の一人は重傷を負っているという。

(英語記事)
http://cnnphilippines.com/regional/2017/04/29/NPA-attack-Lapanday-Foods-Corporation-Davao.html

ラパンダイ・グループはダバオ周辺のバナナ・プランテーション大手。NPAはこの大企業への懲罰的攻撃だという声明を出している。

ちなみにマンドゥグは、市街からはそこそこ離れている。NPAによる事件は報道されてないだけで今でもちょこちょこ起きているが都市部では少なく、ドゥテルテ現大統領のお膝元であるダバオ市で、かつASEAN会合がマニラで行われているこの期間中に今回の事件を起こしたことは、政府を刺激する狙いと思われる。ドゥテルテ大統領は去る2月、停戦協定を破棄すると発表していた。

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ミンダナオIS系武装勢力との戦闘で構成員37名を殺害

去る4月25日、南ラナオ州ピアガポ町での国軍とマウテグループとの一連の戦闘で、マウテグループ側勢力のうち37名を殺害したと発表があった。戦闘は22日から4日間続いた。マウテグループはISISに忠誠を誓っているミンダナオのテロリストグループのひとつで、南ラナオ州を拠点としている。殺された37名の身元は調べられているところだが、既に3名がインドネシア人、1名がマレーシア人であることがわかっていて、インドネシアのイスラム過激派「ジェマ・イスラミア」のメンバーであるとされる。また、民間人の負傷者はいなかったと報告された。

(英語記事)
http://cnnphilippines.com/regional/2017/04/25/maute-jemaah-islamiyah-killed-lanao-clashes.html
http://news.mb.com.ph/2017/04/25/afp-4-foreigners-among-the-37-killed-in-firefight-vs-maute-group/

ピアガポ町はMILFのキャンプからわずか5kmのところで、マウテグループはこれまでMILFを隠れ蓑として使ってきたといわれる。

<本ブログ内の他のマウテグループ(maute group)関連の記事>
2017年
マレーシアのサバ州からIS組織戦闘員をミンダナオに送る計画を摘発
IS関連のテロ組織「アンサル・カリファ・フィリピン」のリーダー殺害

2016年
マニラのアメリカ大使館爆弾設置事件で、アンサル・カリファ・フィリピンのメンバーが逮捕
マウテグループから町役場を奪回、ミンダナオ南ラナオ州での戦闘

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ボホール島にアブサヤフが侵入し撃退された件

4月11日、近年初めてアブサヤフがボホール島に現れ、警戒していた国軍および国家警察と衝突した。戦闘ではアブサヤフ側が10名中5名死亡し、政府側も4名死亡した。イナバンガ町という場所である。

AFP通信の日本語記事はこちら↓
http://www.afpbb.com/articles/-/3124771

英語ではもう少し詳細が載っていて、現場は観光客もよく訪れるエリアで、ボホール島の中心地であるタグビラランから北に71kmのところだという。

(英語記事)
http://cnnphilippines.com/news/2017/04/11/Abu-Sayyaf-firefight-Bohol.html
http://www.thenational.ae/world/southeast-asia/nine-killed-after-abu-sayyaf-militants-attack-philippine-tourist-island-bohol

アブサヤフの狙いはおそらく、2年前にダバオ向かいのサマル島リゾートで行ったように、金持ちそうな外国人を身代金目的で拉致することだったのだろうと思われる。このところサンボザンガ近辺は警備が厳しくなってきていること、聖週間でセブやボホールには(土地勘のない)旅行者が増えること、などを考慮しての選択だろう。

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クーリエジャポン「元イスラム武装勢力と「平和のソバ」を作る日本人を訪ねて」

今日はアブサヤフ関連でこそないが、ミンダナオ島中部を拠点にするイスラム過激派(だった?)MILFと日本人実業家の記事の紹介。

クーリエジャポンのウェブサイトに2017年3月16日付でアップされた
元イスラム武装勢力と「平和のソバ」を作る日本人を訪ねて
が興味深い。

MILFはまだ一部が国軍と衝突することもあるようだが、本体に関しては2015年のミンダナオ和平に関する合意の後、「バンサモロ自治政府」という新たな行政枠組みを作るべく政府と協議を始めている。というか、2016年にその基本法が策定される予定になっていたのが国会で承認されず、新たに作り直し始めたところ。

ミンダナオ和平に関しては日本政府がJICAを通じていろいろと支援をしていて、上の記事にも少し出ているが元兵士の雇用の保障も大いに気にかけたい部分だろうと思う。というのも、経済がダメだからゲリラに入る、ゲリラがいて危ないから投資ができない、新規投資がないから経済がますますダメになる、という負のスパイラルがミンダナオ中部では顕著だからだ。

その点、フィリピン初のミンダナオ島出身大統領であるデュテルテも力を入れているであろう分野で、これからダバオに日本からの直行便が就航したり外国投資を招いたりする上で、周辺地域の治安問題(イスラム過激派だけでなく共産ゲリラや一般犯罪も)は早急に対応が必要。特にダバオはつい最近テロが起きたばかりで、2年前にはすぐ向かいのサマル島リゾートでも外国人誘拐事件が起きたこともあり、いくら大統領のお膝元といえども全く気が抜けない(これらの事件については「ミンダナオ治安(テロ関連)」を参照。

ミンダナオ島は全体としてまだまだ未開発で、特に大部分ではフィリピンなのに台風の影響がほぼないという自然環境に恵まれた場所でもある。デュテルテが大統領の間にぜひ大きく前進させてほしいところだが、イスラム地域の政治はかなり厄介そうなので、いかに剛腕の大統領と言えどもどこまでやれるのか今後も注目して見ていきたい。

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アブサヤフが8歳の人質フィリピン人少年を解放

アブサヤフの人質になっていたドイツ人が斬首された件」で書いた通り、つい先日アブサヤフによって人質ドイツ人が殺されたばかりだが、また新しい動きがあった。

2月28日、7カ月の間人質になっていた8歳の少年が、約650万円の身代金と引き換えに解放された。

(英語記事)
http://www.sunstar.com.ph/davao/local-news/2017/03/01/abu-sayyaf-frees-8-year-old-hostage-after-7-months-528476
http://www.rappler.com/nation/162762-filipino-abu-sayyaf-hostage-freed
http://newsinfo.inquirer.net/876304/duterte-meets-8-year-old-boy-kidnapped-by-abu-sayyaf
http://www.gmanetwork.com/news/story/601365/news/nation/8-year-old-abu-sayyaf-kidnap-victim-released-in-sulu-brought-to-malaca-ntilde-ang

上の記事によれば、彼と両親の3人は2016年8月5日にサンボアンガ・シブガイ州パヤオ郡バランガイ・クリサップにて同時に拉致された。両親は、同年8月22日と11月13日にそれぞれ身代金と引き換えに解放されていた。父親は政府職員、妻は商店やココナツ・プランテーションなどビジネスを切り盛りしていると報道されているが、身代金のために少なくともいくつかはたたんでしまったようだ。

この拉致事件は、私がアブサヤフ・ウォッチングを始める少し前に起こっていたので、今回の報道を通じて初めて知った。
ちなみに、8歳の子どもが拉致されていたことは2014年にもある。
http://www.rappler.com/nation/73500-abu-sayyaf-releases-girl
このときの少女も、別の町だがやはりサンボアンガ・シブガイ州内で拉致されていた。

さて、これで残る人質は私の試算だと、

オランダ人 1名
マレーシア人 5名
ベトナム人 13名
インドネシア人 7名
フィリピン人 5名

になる。日本人の伊藤は、現在自発的にアブサヤフと行動を共にしていると考えられており、この数に入っていない。

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アブサヤフの人質になっていたドイツ人が斬首された件

去年の11月上旬にアブサヤフが新たにドイツ人1名を拉致で捕まっていたドイツ人が、2月26日にアブサヤフによって殺された。70歳だった。

(英語記事)
https://www.thesun.co.uk/news/2964222/abu-sayyaf-behead-german-jurgen-kantner-isis-style-video/
http://www.aljazeera.com/news/2017/02/abu-sayyaf-video-shows-beheading-german-hostage-170227101245013.html
http://newsinfo.inquirer.net/876003/abu-sayyaf-releases-video-of-beheading-of-german-hostage

身代金の期日になっても支払われなかったことから、すぐに首をはねたようだ。要求していた身代金の額は、6500万円ほどだった。

上の記事によれば、このドイツ人は2008年にもソマリアでも当地の海賊に52日間捕まった経験があり、その際は身代金と引き換えに解放されたのだという。

これで、残っている人質は

オランダ人 1名
マレーシア人 5名
ベトナム人 13名
インドネシア人 7名
フィリピン人 6名

と私は推測しているが、上のインクワイアラーでは少なくとも外国人19名とフィリピン人7名の26人と書かれている。フィリピン人が私の試算より一人多いのは、11月に韓国人が拉致されたときに一緒に捕まった人のことなのかもしれない。ともかく、現状合わせて25人は下らないということだ。

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スールー沖でアブサヤフがベトナム人船員一名を殺害、7名を誘拐

この前ダバオに向かっていたベトナムのカーゴ船がバシラン周辺で襲われたのは11月11日だったが、2月19日またもやベトナム船が襲われた。場所は、領土的にはフィリピン領だがマレーシアのボルネオ島サバ州のすぐ近くにある、タウィタウィ州バグアン島およびタガナック島周辺。乗っていた25名のうち、一名が死亡、7名が誘拐されたという。

(英語記事)
https://tribune.com.pk/story/1332965/vietnamese-sailor-killed-seven-abducted-philippine-pirate-attack/
http://www.rappler.com/nation/161999-vietnamese-piracy-sulu-tawi-tawi

翌日の20日時点では誰の犯行かは明らかでないが、これまでの実績からするとまず間違いなくアブサヤフだと思う。私が前回メディアで見たアブサヤフによる誘拐事件は、1月20日だった。先日のスター紙の記事に載っていた情報から自分で計算してみると、現在いる人質は今回のを合わせて以下となる。

オランダ人 1名
ドイツ人 1名
マレーシア人 5名
ベトナム人 13名
インドネシア人 7名
フィリピン人 6名

ただし、上のtribune.comの記事によれば、27+7で34で、私の試算より一人多い。これは、何年も前に誘拐された日本人の伊藤が含まれているからだが、彼は他のメディアでは現在は自主的にアブサヤフと行動を共にしていると考えられており、既にずっと前から数えられていない。

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