マニラに出張で到着した日本人社長が、すぐに撃たれて亡くなった事件

デュテルテが就任してから9カ月。フィリピンの治安が良くなったようには到底思えない、またこんな事件。

「マニラで車に銃撃、愛知県の男性死亡 仕事で到着直後」2017年4月21日付
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170421-00000047-asahi-soci

フィリピンは、マニラがダントツに危ないです。マニラの中でも危ないエリアはわりと決まっていて、マニラ市をとりあえず避けておけばそれだけでかなり安全な旅ができます。もうひとつ言えば、ニノイアキノ国際空港の第一ターミナルも避けてほしい場所です。普通の国際線は第一ターミナルに到着してしまうのだけど、たしかANA、PALとセブパシフィック等は他のターミナルだったと思います。

強面デュテルテ大統領が売人を殺しまくるゲームアプリ

「三ヶ月以内に麻薬を国内から一掃できなければ私を殺すがいい」と、就任時にフカしたドゥテルテ大統領。一掃キャンペーンはすぐに半年に延長されたものの、その期限も年末に来てしまいます。今後の展開やいかに。

ところで、携帯アプリではハードボイルドな大統領が薬の売人を殺しまくるゲームがたくさんあり、かなり人気のよう(もちろん無料アプリ)。参考までに下に検索画像をつけてみました。アプリストアでの検索ワードは、”Duterte”です。

三番目などは、私にはジャイアンにしか見えませんが。。ともかく比国内での人気のほどは察していただけると思います。

デュテルテ

脱出老人: フィリピン移住に最後の人生を賭ける日本人たち
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日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」 (集英社文庫)
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ダバオ向かいのサマル島でおきた誘拐事件のアップデート3

6月に書いたダバオ向かいのサマル島でおきた誘拐事件のアップデート2では、誘拐されたカナダ人が二人とも斬首されたことをメモした。残るはノルウェー人男性1人になっていたが、今日のニュースで動きがあったと伝えられました。

http://www.rappler.com/nation/146514-abu-sayyaf-norwegian-hostage-release

上のニュースによれば、件のノルウェー人は昨夜、解放されたという。支払われたとされる身代金は3000万ペソ。日本円にして7000万といったところか。

これにてサマル島でおきた誘拐事件は幕を閉じたことになるが、アブサヤフが人質としてとっているのは他にも20何人いて、外国人の中にはマレーシア人、インドネシア人の他にはオランダ人のカメラマンもいる。ただ、これらはなかなかニュースにすら登場してこないので、消息をリアルタイムで知るのはちょっと難しい気がしている。

アップデート:2800人突破、デュテルテ大統領になってからの麻薬関係死者

先月「デュテルテが大統領になってからの麻薬関係死者が1800人を突破」を備忘録として書いたが、9月に入っても勢いはとどまるところを知らず、国家警察による、ショットガンの名前を模した「ダブルバレル」プログラムにおける9月4日の時点で既に2800人を超えていたという記事を発見。

http://www.finlandtimes.fi/worldwide/2016/09/04/29851/More-than-2,800-killed-in-drug-operations-in-Philippines

現在フィリピンでは、麻薬関係の中国人がしょっちゅう捕まっているほか、報復等で警官が暗殺されたり、さらにはときどき幼児が巻き添えを食って殺されたりもしている。ビビッて出頭する下っ端関係者も数十万人と多い中、リハビリプログラムのために収容する場所の確保に一生懸命だ。

素朴な疑問だが、万一彼らが更生したとして、数十万人に非正規でも雇用を与えられるような力が政府にあるのだろうか。というのも、ただでさえ失業率が高いのに加えて、フィリピンではしばらく前からのサウジアラビア不況による構造改革の影響を受け、出稼ぎに行っていた肉体労働者も続々戻ってきており、麻薬関係者の多くを占める成人男性層とバッティングしている。

ひとつだけ考えられる好材料は、今年から2年間はジュニアハイを新しく出た若者をシニアハイに助成金付きで接続するプログラムがあるので、ハイスクールを出たばかりで失業する人は少なめなのではなかろうか。それに伴い、同程度の非熟練度の若者は競合が増えることなく職探しができるモラトリアムのような感じになっていくと思われる。

デュテルテが大統領になってからの麻薬関係死者が1800人を突破

大宅壮一ノンフィクション賞も受賞した作家でもあるマニラ新聞の記者、水谷竹秀がブロゴスに寄稿した記事(参照)によれば、新大統領就任1カ月にして麻薬関係死者が400人以上、とある。

ところが、その数週間後に出た下の英語記事をみると、約1800人となっている。
http://gulfnews.com/news/asia/philippines/philippines-drug-war-death-toll-at-1-800-1.1883476

下の日本語のロイター記事はどうやら誤訳で、1067件というのは約1800-712 =1067。警官に射殺された人数が400から712になっているだけでもかなりのスピードなのに、その上に「関連」すると言われる殺害件数がその倍以上あるという。

http://blogos.com/article/187932/

そのすべてが必ずしも本当に関連でないのは、フィリピンだから当然だろう。

1945年 マニラ新聞―ある毎日新聞記者の終章

フィリピン本。今回は戦争モノのドキュメンタリー。

「1945年 マニラ新聞―ある毎日新聞記者の終章」南条岳彦(1995)

1945年 マニラ新聞―ある毎日新聞記者の終章
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本書のタイトルにある「マニラ新聞」は、現在ある「まにら新聞」とは全くの別物で、言ってみれば初代である(ちなみに現在の「まにら新聞」は1996年に、「Kyodo News Dialy」(1992年創刊)が名称変更したもの(参照))。

その初代「マニラ新聞」にしても、マニラ日日新聞などを接収して1942年に作ったもの(参考)で、さらにマニラ日日新聞はマニラ商工新報が前身で、、、と書き出せば長くなる。

それはともかく、本書の著者はたった3年間しか続かなかったこの初代「マニラ新聞」の編集長の息子さんで、自らも報道関係者なのだそう。幼少期に数年間を一緒に過ごしただけの父のことを十何年も調べ続け書き上げたという労作である。当時の時代を感じさせるという面では面白い本。

ただ、焦点はあくまで父・南篠真一と彼を取り巻く世の中であって、後半になるまでフィリピンの話は全然出てこない。なので、これをフィリピン本として読んだ俺は前置きがえらく長く感じてしまった。

マリア・プロジェクト

フィリピン本、ではないけれど、フィリピンを舞台にした楡周平の小説。

「マリア・プロジェクト」楡周平(2001)

マリア・プロジェクト (角川文庫)
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彼の作品を読むのは2度目だが、ドラマチックな展開と設計や描写の緻密さが持ち味なんだと思う。気分転換やストレス発散にいい、というのはハリウッド映画のようでもある。

さて、舞台をフィリピンにしてあることについて、前半を読む限りでは別にインドでもいいじゃん、という感じがしたが、後半はフィリピンであることの必然性が表れていたように思う。ステレオタイプのイメージを活用しつつ、それでいて実際に行って取材をしないと見えてこないようなレベルでの国民性の捉え方みたいなのもある。もちろん、実際にフィリピンに住んでいた者からすれば不自然なところもいくつかあるのだけども(たとえば、庭師が見取図を描くくだりとか)。

全体として、同じフィリピンを舞台にした小説と言っても、以前紹介した「カリナン」とは格が違うという印象。しかし、俺的には「フィリピンフール」
が一番面白かった。ウワサばかりで何を信じていいかわからないという、日本人にとってのフィリピンをよく描けていると思う(逆に言うと、先の楡周平の作品においてフィリピンは舞台設定でしかない)。

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さて、次回のフィリピン本はノンフィクションが一冊、さらに、中世の航海誌も日本語版を手に入れたので読んでいくことにする。せっかく日本にいるうちに日本語の本をたくさん読みたい。