セブアノ語に出てくる3つの”kay”

ダバオに住みながらビサヤ語(セブアノ語)を勉強するという当初の計画。ダバオはタガログ語もよく使われているので、あらかじめタガログ語を覚えた自分としては好都合だ、と思っていた。実際には、ついタガログ語を使ってしまうのでなかなか上達しない。かつ、ダバオのタガログ語は底が浅いというか、マニラの方とは響きからして違う、言ってみれば2流。どっちつかずな感があります。

ともかく、それでも半年もいればなんとなく耳が慣れてくるし、たまにオンラインでセブ出身の人に習ったりもするとセブのビサヤ語との違いが気になってきたりもする。ここでも、ダバオのビサヤ語は底が浅いというか、本場セブのとは使われる語彙とか違うよう。

たとえば標題の”kay”に関しては、ダバオでは次の2つしか聞かない。
1) 名前に付ける”si”のsa形であるkay。
2) 理由を表す接続詞のkay。

セブの方ではさらにもうひとつkayがあるよう。すなわち、
3) kaayoの省略形であるkay。

上記のkayはひとつの文に同居することもある。
例: Kaligo ka didto, kay baho kay ka. あんたとっても臭いから水浴び(またはシャワー)しなさい。

ところでセブアノ語がタガログ語と文法的に違うなぁ、と思うのは「あんた」を表す”ka”の前にkaayoがつくという語順。タガログ語の”ka”は、どんな接辞よりも前にくるのに、セブアノ語ではけっこう後ろの方。私の推測では、セブアノ語の方がもともとの語順なのではないかと思う。というのは、タガログ語の”ka”と”mo”の接辞に対する位置は、他の代名詞の位置と違う例外的な処理が必要だから。ビコルやイロンゴ、カパンパンガンなどで例を集めて比較してみると答えにもうちょっと説得力が出てくる気がする。

というか、その前にもし現地の言語学の論文を探せばもっといろいろ見つかるんだろうな。

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セブアノ語の文法2

どうやら「セブアノ語の文法」で検索してくる人がときどきいるらしいので、続編。

1) まず、「セブアノ語」という言語があるのか、という問題。
定義の問題にも似てくるが、「セブアノ語」というのはセブ島とその周辺(オランゴ諸島とか)で話されている言葉なんだろうな、という気がする。ダバオでは人は「セブアノ語」と呼ばず、ビサヤ(語)と呼ぶ。

ビサヤ語(またはビニサヤ語)の定義もまたいろいろありそうで、たとえばイロンゴ語(=ヒリガイノン語)に含めてビサヤ語だというフィリピン人もいる。俺に言わせればビサヤ「諸」語だと思うのだが。。

2) 文法
以上を踏まえてダバオでのビサヤ語について文法の重要なところをざっと書いてみると、

a) 動詞の焦点は、タガログ語と同様に大きく2つ。動詞活用のタイプは4つぐらいになるかな。
まず焦点の一つ目、行為者焦点としては、”mo-” ないし”ni-“ が接頭辞としてくる(それぞれ現在、過去)。 “mo-“の代わりとしての”mi-“は古いのか、使われるのを聞かない。さらに現在進行形として、”ga-“ないし”naga-“という接辞を使っている。タガログ語の影響だろうか。
よって、食べる”kaon”の活用だとこんな感じ。mokaon, nikaon, gakaon

次に、目的・方向焦点としては、接頭辞の”i-“のほかに、接尾辞の”-on”、”-an”がある。過去形のときは接頭辞”gi-“をつける。タガログ語みたいに挿入しないで済むので、ずっとシンプル。現在進行形は、どうやら”gina-“という接頭辞になる。
食べる”kaon”は、kaonon, gikaon, ginakaon とか。

b) 接辞の並びは、ra, na/pa, ba, man, (ka ), lagi/ bya, dawの順。ただし、(ka)としたところは代名詞(追記:セブアノ語とタガログ語の小辞の比較について別に記事を起こしました(参照)
といったところか。あとは unta =sana とか。タガログ語で伝聞の”daw/raw”は、ビサヤ語でもそのまま”daw”のようだが、お願いを柔らかくいうときの”daw”と形が同じで紛らわしい気がする。あるいは、他の形があるのかもしれない(ダバオではビサヤ語にタガログ語も混ぜて話す傾向があり、見分けづらい)。

c) 言語の変わり方がすごいスピードで進んでいる
これは仮説ですが。年代によって、使う表現とかがずいぶん違うのではないかという気がしています。タガログ語も速いけど、ビサヤ語はもっと速い気がします。ヴァナキュラーな言語だから。出版された語彙集、辞書等を使う場合は、いちいち確認しながらじゃないと全然通じない可能性もありますので注意が必要です。

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(こちらの著者サヤス先生は、つくばで博士を取得したカガヤンデオロ出身のUPディリマン教授です)

 

 

4言語で今年の目標を語ってみる

先日のyoutube用初録画の続き。結局、編集作業が面倒くさいので一発撮りすることにしました。これも初めてなもので何度も取り直すことになるのですが、そこはスピーチの練習のうち。いい訓練だと思います。

日本語、英語、タガログ語、ビサヤ語でしゃべってみました。

今月は特にビサヤ語の強化月間ということで、一か月後にまたビデオを撮るとしたらまた違ったものが出てくることでしょう。

それとは別に、スピーチ練習をそれぞれ日本語、英語でしたい。日本語は母語なんですが、どうも「えー」というフィラーが耳ざわり。池上彰みたいにフィラーなしで話せるようになりたいのです。