今度はジェネラルサントスで爆破テロ

備忘録。

9月16日にジェネラルサントス市(ジェンサン)で、手製爆弾(IED)による爆破テロがあり、8名が負傷した。犯人は特定されていないようだが、先月に隣のスルタン・クダラット州で立て続けに2件の爆破テロが起きた後だけに、同じBIFFの仕業という可能性も考えられる。

この事件を受けて、ジェネラルサントス市では警戒レベルを4に引き上げたということだが、日本の外務省は危険レベル1のまま。外務省の設定している危険度はご都合主義的な面がかなりあるので、大して信用ならない。今後もジェネラルサントス市とその周辺、あるいは再びダバオでテロが起きる可能性はフィリピンの他の地域より高いと、俺は思う。

(英語記事↓)
http://www.gmanetwork.com/news/news/regions/667944/7-hurt-in-gensan-bombing-police/story/

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再びミンダナオ中南部スルタン・クダラットで爆破テロ

8月28日に3名が死亡したミンダナオ中部スルタン・クダラット州で爆発テロがあったばかりのイスラン町で、9月2日に再び爆破テロがあり、少なくとも1名が死亡、10数名が負傷した。爆発物は手製の爆弾とのこと。

(参考英語記事↓)
https://www.rappler.com/nation/210984-sultan-kudarat-explosion-september-2-2018
http://newsinfo.inquirer.net/1027399/another-bomb-explodes-in-sultan-kudarat

前回と同じグループの犯行とすれば、BIFF(バンサモロ・イスラム自由戦士)の仕業ということになる。現在ミンダナオ全土に敷かれている戒厳令は今年末までだが、今回の一連の事件で、延長の可能性も増してくるように思われる。

ちなみに、ミンダナオ島では、去年は南ラナオ州でマラウィ市が占拠され、数カ月に渡って国軍が解放のための戦闘をしていた。
(ミンダナオでの一連のテロについては、当ブログのミンダナオ治安(テロ関連)を参照)

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ミンダナオ中部スルタン・クダラット州で爆発テロ

日本大使館からのメールで知ったのだが、またミンダナオでテロがあったそうだ。今度は、中南部のスルタン・クダラット州の州都イスラン( Isulan)町。
8月28日夜のお祭りの最中に爆発し、死者2名、負傷者30名以上とのこと。当局は、ISIS系テロ組織BIFFが関与していると考えている模様。

(9月3日追記:死者数3名、負傷者36名)

(参考英語記事↓)
http://news.abs-cbn.com/news/08/29/18/military-links-biff-to-sultan-kudarat-blast

ちなみにスルタン・クダラット州は大きな都市のないマイナーな州で、コタバトやジェネラルサントスからほど近い。名前の由来はコタバトを中心としたイスラム教のマギンダナオ王国が17世紀に最盛期を迎えた時の王。この王はスールー王国の姫を妻とし、両国は友好関係にあったとされる。

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2013年のサンボアンガ危機の犯人一味のうち、97人が釈放された

MNLFの2013年のサンボアンガ危機の犯人一味197のうち、97人が5月28日に釈放された。基本的にバシランとスールー出身の男たちで、女性は1人のみとのこと。最終的に、彼らには一人5000ペソの罰金が科されただけにとどまった。

残る一味のメンバーは100人で、もっと罪の重い中核メンバーと思われるが、それにしてもこの97人に対する罰の軽さは被害者を落胆させていることは間違いない。そもそも、MNLFのリーダーであるヌル・ミスアリは部下の一部が「暴走」したのに勾留すらされておらず、もちろん責任もとっていないのが流石フィリピンというか、外からは理解しづらい部分だと思う。

(参考英語記事↓)
http://news.abs-cbn.com/news/05/28/18/court-frees-97-mnlf-members-in-zamboanga-siege
https://www.philstar.com/nation/2018/05/28/1819430/zamboanga-city-guard-96-charged-over-siege-freed

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サンボアンガ・シブガイ州で地元女性が拉致された件

去る4月4日、サンボアンガ・シブガイ州(サンボアンガ市ではなく、サンボアンガ半島の付け根の方)マランガスで、地元の海産物ビジネスに従事する38歳女性が7人の武装した男たちに拉致された。

(参考:英語記事↓)
https://news.mb.com.ph/2018/04/04/businesswoman-kidnapped-in-zamboanga-sibugay/
https://www.philstar.com/nation/2018/04/05/1802838/woman-kidnapped-sibugay

その後、3日経った時点で関係者と見られる6人が投降したが、捜査は進んでいるか定かではない。
https://www.philstar.com/nation/2018/04/08/1803831/sibugay-kidnapping-6-suspects-surrender
https://news.mb.com.ph/2018/04/07/6-bandits-surrender-in-zamboanga-sibugay/

この界隈は長らくアブサヤフが活動している地域なので、その関連の可能性がある。ただし、メディアは今のところ不明と表現している。

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ミンダナオのISIS(マウテグループ他)のその後

去年ミンダナオ中部にあるマラウィ市を占拠したISISことマウテグループその他だが、マラウィ市が解放された後も根絶はされておらず、300名以上が各地でリクルート活動等を行っているとのこと。彼らはリーダー亡き後10の小集団に分かれているという。

ラップラーの英語記事によれば、現在彼らの新しいリーダーは”Abu Dhar(アブ・ダル)”という者で、40代だそう。同記事は、今年の1月にもマシウという町で国軍とISISとの衝突があったこと、また3月4日にはこのグループのサブリーダーの一人が妻ともども爆発物不法所持のかどでマニラで逮捕されたと伝えている。

このようにフィリピンでもテロには引き続き警戒が必要で、特にマニラやセブ、ダバオ等の大都市でテロを画策している輩がいると思っておいた方がよさそうだ。

(英語記事↓)
https://www.rappler.com/nation/197457-maute-isis-subgroups-abu-dhar

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ケソン市でアブサヤフ構成員が逮捕された件ほか

去る11月17日になるが、マニラで開催されていたASEANサミットに関連して、国家警察はテロを企てていたとされるアブサヤフ構成員3名をケソン市で逮捕した。このタイミングでうまい具合に逮捕できているあたり、当局が自分たちをアピールしているようにしか見えないのだが、どうだろう。

(英語記事↓)
http://newsinfo.inquirer.net/945772/3-alleged-abu-sayyaf-men-tagged-to-terrorize-asean-summit-fall-asg-pnp-asean-summit-2017asean-terrorism

さて、それとは別に、11月12日には拉致されていたベトナム人船員のうち3人が救出され、1名の死体が回収された。

(英語記事↓)
http://newsinfo.inquirer.net/944810/abu-sayyaf-kidnapped-vietnamese-fishermen
http://videos.inquirer.net/?vtnid=MCsxMDMzODkyfHwyMzY4fHwxMTE4fHx8fDV8fA==

彼らがいつ拉致されたのか記事からは定かではない。しばらく前の2016年11月に拉致されていた人たちに関しては2017年7月5日には6名のうち2名が斬首され、さらに7月11日にも別の1名の死体が回収されているので、残っているのは3人のはず。そうすると今回の4人が全員ベトナム人であるなら、別のところで拉致された人たちか、少なくとも数人は別のところで拉致された人も含まれているのだと思われる。

(英語記事↓)
http://news.abs-cbn.com/news/07/11/17/body-of-abducted-vietnamese-recovered-in-sulu
http://www.philstar.com/headlines/2017/07/05/1716662/abu-sayyaf-beheads-2-vietnamese-hostages

アブサヤフはマラウィ危機によってかなり弱体化していると思われるが、それでも地元のバシランおよびスールー諸島では最近になっても拉致は行っている。たとえば、9月28日にはスールーの地元政治家を拉致したと報じられている。
(英語記事↓)
http://www.philstar.com/nation/2017/09/28/1743532/abu-sayyaf-kidnaps-jolo-town-councilor

そしてこの記事の最後には、上記政治家を除いて、同日時点で拉致されて人質となっている人数と内訳が記載されている。「スールーにいるのは」という書き方なのでバシランには他にもいるのかもしれないが、ともかく全部で17名。内訳はベトナム人6名、インドネシア人5名、オランダ人1名、フィリピン人5名。

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