7月15日に拉致されたフィリピン4名のうち最後の人1名も救出された

アブサヤフに拉致されたフィリピン人3名が逃走し救出された件の続き。7月15日に拉致されたフィリピン人4名のうち、残っていた最後の一名も8月14日に国軍によってバシランで救出された。

(英語記事)
http://cnnphilippines.com/regional/2017/08/14/Abu-Sayyaf-hostage-Basilan-rescue.html

この事件は、サンボアンガ市在住の6名のフィリピン人の建設労働者が、7月15日にスールーのパティクルでアブサヤフによって拉致されたもの。うち2名は同日国軍によって救出され、3名は8月11日に逃走に成功し国軍に救出されていた。

(英語記事)
http://cnnphilippines.com/regional/2017/07/16/Suspected-Abu-Sayyaf-kidnap-four-workers-in-Sulu.html

フィリピン―急成長する若き「大国」 (中公新書)
井出 穣治
中央公論新社
売り上げランキング: 855
フィリピンパブ嬢の社会学 (新潮新書)
中島 弘象
新潮社
売り上げランキング: 603

アブサヤフに拉致されたフィリピン人3名が逃走し救出された件

7月15日にスールーのパティクルの小学校で拉致された4名のフィリピン人の建設労働者のうち3名が、8月11日に救出された。下のフィルスターの記事には、彼らのアブサヤフに捕らえられている写真付きで掲載されている。

(英語記事)
http://www.philstar.com/nation/2017/08/11/1727939/3-kidnapped-construction-workers-escape-abu-sayyaf-sulu

ところで、俺もニュースが全部追えるわけではないのでアブサヤフの拉致関係で漏らしてしまっている報道も多いわけだが、そのうちのいくつかの最近見つけたものをここに載せておきたい。

6月8日、セレベス海で2016年12月に拉致された4名のうちの1名を、スールーのタリパオで救出した。ちなみに4名のうち船長は既に去る4月に斬首されている。
5月1日、スールーのパティクルで4月29日に拉致された政府職員2名が救出された。
http://www.sunstar.com.ph/zamboanga/local-news/2017/05/01/troops-rescue-2-government-workers-sulu-539447

他にもまだあるのだろうが、とにかくアブサヤフが特にバシラン・スールー近辺ですごい数の事件を起こしていることは明らか。俺が追っている情報で最新なのは、少し前の情報にはなるが6月18日の時点でスールーに21名、バシランに5名の人質がいるというCNNの記事(参照:アブサヤフに拉致されたベトナム人一名が脱出に成功

フィリピン―急成長する若き「大国」 (中公新書)
井出 穣治
中央公論新社
売り上げランキング: 855
フィリピンパブ嬢の社会学 (新潮新書)
中島 弘象
新潮社
売り上げランキング: 603

アブサヤフが拉致したフィリピン人7名を殺害した件

最近、アブサヤフによる拉致事件は起きてないと思っていたが、俺の情報収集が甘かっただけだと気づいた。

7月20日に、バシランのマルソ町で7名のフィリピン人木材伐採を生業とする者が拉致され、そして同月30日に遺体が同じくバシランの山中Lantawanで発見された。

(英語記事)
http://www.philstar.com/nation/2017/07/31/1723256/bodies-7-loggers-beheaded-abu-sayyaf-recovered
http://www.rappler.com/nation/177281-abu-sayyaf-beheading-loggers-basilan

上の2紙によれば、拉致された後に殺されたと書かれている。身代金目的ではないようだ。

拉致されたのか海上か陸上かは記事から読み取れない。職業の表示を見る限り、おそらく陸上なのだと思われる。500人近いメンバーがマラウィの戦闘で掃討された今でも、以前としてバシラン以南が物騒なことに変わりはないようだ。。一体、メンバーはあとどのぐらい残っているのだろうか。

(追記:地元メディアでの報道で、拉致されたのはバシラン山中であることが分かった。かつ少なくとも2名はサンボアンガ市在住であることも確認した)

フィリピン―急成長する若き「大国」 (中公新書)
井出 穣治
中央公論新社
売り上げランキング: 855
フィリピンパブ嬢の社会学 (新潮新書)
中島 弘象
新潮社
売り上げランキング: 603

マラウィ危機(マウテグループによる占拠事件)死者数のアップデート

5月から続いているマラウィでのISIS(ここでは、マウテグループ、アブサヤフ、さらにBIFFやアンサルカリファ・フィリピンの連合とされる)との戦闘についてのアップデート。

ネットメディアのRapplerによると6月30日時点で、死者数は
政府側(国軍と国家警察).. 82人
テロリストに殺された民間人.. 39人
テロリスト.. 317人
という。これまでに政府やNGOが1713人救出したが、まだ全面解決にはいたっていない。

(英語記事)
http://www.rappler.com/nation/174358-death-toll-marawi-clashes-june-30

ちなみに5月に敷かれたミンダナオ全域の戒厳令は、60日以内という制限つきなので7月22日頃までには解かれないといけないのだが、果たして現政権はルール通りに行うのか、その点も少し気になるところではある。

フィリピン―急成長する若き「大国」 (中公新書)
井出 穣治
中央公論新社
売り上げランキング: 855
フィリピンパブ嬢の社会学 (新潮新書)
中島 弘象
新潮社
売り上げランキング: 603

ミンダナオ情勢についての日本語記事

これと言って新しい情報はないのだが、情勢理解のための一応のまとめとして日本語記事を紹介したい。

「特別リポート:アジアに迫るISの魔手、比ミンダナオ島の衝撃」6/10付ロイター、(掲載はYahooニュース)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170610-00000025-reut-asia

「剛腕ドゥテルテでもダメか、イスラム過激派退治」ハフィントンポスト日本語版
http://www.huffingtonpost.jp/naoji-shibata/duterte-mindanao_b_17285312.html

マラウィ危機での6月

22日までの死者は民間人26人、武装勢力側276人、政府側67人

とある。マラウィでの掃討作戦はもう終盤に差し掛かっているはずだが、ラマダンが明けてもまだ終わってはいないようだ。また、リーダーのイスニロン・ハピロンやマウテ兄弟の首をとったという報道もまだ聞かない。

ところで上記ハフィントンポストにも引用されている立教大の石井正子教授は、最近「難民ナウ」というラジオ番組の音声インタビューに登場している。
http://nanmin-now.seesaa.net/article/451143113.html

ここでも特に新しい情報はないのだが、今回の危機に際して日系NGOも支援に駆けつけているというのは他の報道ではあまり聞かない類の情報ではある。

一方、同氏がAsia Peacebuilding Initiativeに寄稿している記事の方はもっと詳しい。

「ドゥテルテ大統領、戒厳令布告の背景」
http://peacebuilding.asia/martial-law2017

今回の件、20万人の市民が丸ごと避難民となるような事態は尋常ではなく、また戦闘や空爆で彼らの住んでいた家もかなり破壊されているはずなので、緊急支援および復興支援が必要なのは間違いない。ドゥテルテとしても腕の見せ所になるはずだが、果たしてうまくやれるだろうか。というか、それ以前に掃討作戦の成果をあげられるかどうか。

フィリピン―急成長する若き「大国」 (中公新書)
井出 穣治
中央公論新社
売り上げランキング: 855
フィリピンパブ嬢の社会学 (新潮新書)
中島 弘象
新潮社
売り上げランキング: 603

アブサヤフに拉致されたベトナム人一名が脱出に成功

ここのところドゥテルテ政権によるテロ対策が派手すぎてニュースもなかなか追いきれないのだが、今日は久々にアブサヤフ拉致問題についてのアップデート記事を取り上げたい。

6月16日に、アブサヤフの拠点のひとつであるバシラン島に捕らわれていたベトナム人船員のうち一名が脱出に成功し、国軍に保護された。拉致されたのは2016年11月なので、実に7カ月もの間人質としてつかまっていたことになる。

(英文記事)
http://cnnphilippines.com/regional/2017/06/17/ASG-Vietnamese-hostage-recovered.html

上のCNNの記事では、他に26名の人質がいるとされ、21名はスールー、5名はバシランで、バシランに残されているこの5名はベトナム人の同僚。もっと詳しく言うと、バシランにいるグループはアブサヤフ傘下の”Furudji Indama(フルジ・インダマ)”という名前だそう。

別のニュースによれば、6月17日には爆弾製造担当のメンバーがサンボアンガ市内で逮捕されている(といっても、サンボアンガはフィリピン国内でダバオの次に市域が広大で、現場は町はずれだが)。このメンバーは、インドネシアの過激派テロ組織「ジェマ・イスラミヤ」から爆弾製造の訓練を受けたのだという。

(英語記事)
http://cnnphilippines.com/regional/2017/06/17/aide-aby-sayyaf-leader-isnilon-hapilon-arrest-zamboanga-city.html
http://news.abs-cbn.com/news/06/17/17/close-aide-of-hapilon-arrested-in-zamboanga-city

ここからは私見だが、報道を見ていると、国軍による空爆を含む攻勢によりアブサヤフはかなり弱体化しているように見える。

フィリピン―急成長する若き「大国」 (中公新書)
井出 穣治
中央公論新社
売り上げランキング: 855
フィリピンパブ嬢の社会学 (新潮新書)
中島 弘象
新潮社
売り上げランキング: 603

マラウィからの避難民、59名以上が病死

先月からミンダナオ島の南ラナオ州マラウィ市に、ISISに忠誠を誓ったマウテグループおよびアブサヤフの武装勢力がたてこもっている事件で、6月15日までに避難民が脱水などを原因に亡くなった。ただし、約22万人と言われる避難民のうち、当局がモニター可能なのは避難センターに入っている2万人のみである。以上から、実際の死者はもっと多いと思われる(単純計算で11倍)。

(英語記事)
http://www.rappler.com/nation/173101-death-toll-marawi-evacuation-center

ちなみにマラウィ市の人口は20万そこそこで、ほぼ全員が避難している計算になる。数日前の報道では、人質にとられている民間人は飢餓に苦しんでおり、カーペットを食べるような状況だという。また、子どもが餓死したのを見た、という脱出者の証言もある。とにかく悲惨な状況なのは間違いない。

フィリピン―急成長する若き「大国」 (中公新書)
井出 穣治
中央公論新社
売り上げランキング: 855
フィリピンパブ嬢の社会学 (新潮新書)
中島 弘象
新潮社
売り上げランキング: 603