世界の裁判見て歩こう

タイトルにあるように外国語学習の本には違いないのだが、ノウハウは書いていないちょっと珍しいタイプの本。

「世界の裁判見て歩こう わたし流外国語上達法」山中信彦(2018)

世界の裁判見て歩こう わたし流外国語上達法 (幻冬舎ルネッサンス新書)
山中 信彦
幻冬舎 (2018-03-15)
売り上げランキング: 1,066,782

正直、書籍にするほどの内容ではないと思うが、それにしても書かれている情報は珍しい。アメリカ、イギリスをはじめフランスやドイツ、ロシアなどの裁判所でいろんな国の裁判を傍聴し、あるいは傍聴しようとした、という記録。著者はどうもモテない男性であることを前面に出して書きたかったようで、女性の読者にはキモイと思われるような内容もあるのではと個人的には思う。

現在世界で支配的な法律やら裁判所のシステムというのは西洋のものが土台になっているので、世界中で理解不能なほど違うということはおそらくなく、基本的な部分が同じであればその国の言葉がそこまでわからなくても登場人物の役割やおおまかな流れ自体は類推できるところが多く、言語に通じていなくても理解の助けになるよう。

さらに、本物の裁判所は通常テレビには出てこないので、現地に行ってしか見れない、という旅行の醍醐味もある(ただし、国によっては、ほんの一部ネットで見れたりもする)。いろいろな国で傍聴していれば、裁判のやり方はもちろん、傍聴に来る人たちの雰囲気の違いも比べられて面白いだろうと思う。

まずは日本でいろいろと傍聴して学習したあとに、海外に行って傍聴するのがよいと思う。少なくとも中級以上でないと聞き取りも、職員とのやり取りも難しいだろうから、かなり自信がつくようになってからようやく挑戦できる趣味だと思った。俺もいつかやってみたい。

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忘れられた日本人

「忘れられた日本人」宮本常一(1955)

忘れられた日本人 (岩波文庫)
宮本 常一
岩波書店
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鶴見良行や高野秀行の本を読んでいたら出てきたので読んでみた。古い本だからどうせ読みにくいんだろうと思って期待していなかったら、出だしからすごい。

明治を生きていた人たちなんて、宮本が執筆した時点で「忘れられた日本人」だったわけなので、現在からすればほとんど中世の人々と大差ないほどの心理的距離感。それを現代的な視点で観察し記録してくれたことに、一読者としては感謝しかない。

また、夜這いや村の女性のエロ話についての記述は昔読んだ赤松啓介の記述とも一致しているように見え、やっぱり本当だったんだなぁ、と思ったりしました。昔の日本人のノリというか性格というか、雰囲気は現代日本に生きる我々には想像しづらいのだけど、高野秀行も言っているとおり途上国に行ってそこで生きている、本なんか読まないようないろんな人々たちと交流していればイメージを得る助けにはなると思います。

宮本常一の他の本もぜひ読みたい。