公印確認とアポスティーユ

証明書翻訳のことで、いろいろとわかりにくいのでメモ。

今回は公印確認とアポスティーユについて。

日本の外務省ウェブサイトによれば、
アポスティーユとは、「外国公文書の認証を不要とする条約」(ハーグ条約、1961年締結)が定めているもので、Apostille(証明文)というフランス語です。日本とロシアはこのハーグ条約に加盟しています。

ハーグ条約第3条によると、「条約加盟国には、この署名の真正、文書の署名者の資格及び場合により文書に捺印されている印章の同一性の証明用として要求することができる唯一の手続当該書を発行する権限のある当局があり、この当局の付与する証明文は認証が不要とする」とあります。日本の場合、上記の「権限のある当局」とは、日本外務省です。日本の書類に対するアポスティーユは、日本外務省領事局領事サービスセンター(証明班)(電話番号: 03-3580-3311(代表)、住所:〒100-8919東京都千代田区霞ヶ関2-1-1)、または大阪分室(電話: 06-6941-4700(直通)、住所:〒540-0008大阪市中央区大手前2-1-22)で取得することができます。さらに、東京と横浜の殆どの公証人役場で取得することができます

ということ。ようは、ハーグ条約に加盟している国の間では、認証が不要であり、その代わりにアポスティーユで足りる、ということ(ただし若干の例外もある)。逆に言えば、ハーグ条約に加盟していないフィリピンのような国では、領事認証が必要。

そしてたとえハーグ条約加盟国であっても、日本では普通日本語でしか証明書を出してくれないため、外国で使う際には翻訳文もつける必要があり、この翻訳文というのが公文書でなく私文書なので、結局たくさんのステップが必要になってしまう。

具体的には日本でこれをする場合、(1)翻訳者が公証役場で公証してもらい、(2)法務局でそれを公証人押印証明してもらって公文書にし、(3)外務省でアポスティーユをつけてもらう。

または、フィリピンのようにハーグ条約に加盟していない国では、(1)翻訳者が公証役場で公証してもらい、(2)法務局でそれを公証人押印証明してもらって公文書にし、(3)外務省で公印確認してもらった上で、(4)フィリピン大使館で領事認証してもらう。

となる。なんだかめちゃ繁雑。。

ところで、1961年の「ハーグ条約」はアポスティーユ関連だが、ハーグ条約には1980年のものもあり、そちらは「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約」で、まったく別モノ。これはこれで、フィリピンでは15歳未満の子どもが親権者でない人と海外に行くとき(とダバオから国内線に乗るとき)に、親が事前に同意していることを証明しなければならず面倒な手続きがある(日本からフィリピンに行くときも同様)。フィリピンではこの証明書はWEG(Waiver of Exclusion Ground)と呼ばれている。

さて、少し脱線してしまったので本筋に戻ると、アポスティーユにせよ外国大使館での領事認証にせよ、提出先が求めていなければ必要ない。なので普通、大使館に出すビザ申請のような書類だと関係がなく、求められるとすれば外国での裁判とか、それぐらい大ごとなことでしょう。

提出先の求め、ということで言えば、自分で翻訳してもよかったりするところもあれば、第三者とかプロまたは法人じゃないとダメとかいろいろある。本当に、日本政府や自治体が最初から外国語(特に英語)で発行してくれれば話は早いのに、といつも思います。

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