サンボアンガの言語グループ

実際に滞在してきて見えてきたこと。

ミンダナオ情勢というのは研究されてきていないわけではないが、特に日本語文献はあんまり深くない感じがする。ひとつにはもちろん治安の問題があるが、もうひとつには日本としてあまり興味がないのではと思う。これまで遺骨収集団は何度か来ているが、いわゆる「奥地」に入っていったのだろうか、よくわからない。治安を考慮して入っていないのではと思う。

さて、ミンダナオにはたくさんの部族がいて、現在は大きく分けるとクリスチャン、ムスリム、ルマド、そして中国人等。部族の分け方に宗教が出てくるのがあまりよろしくないと思うが、ざっくりとした把握には便利なのでこれに従う。というのも、血統という意味ではそもそもアラブ、中国人、スペイン人やらなんやらが混じっているのがフィリピン人なので。

クリスチャン → 多数派。もとをたどればビサヤ等からの移民が多い。他にはクリスチャンに改宗した先住部族、スペイン人、日本人等の混血等。
ムスリム → ムスリム式の政治機構を備えていた先住民族。タウスグ、マラナオ、マギンダナオなど10部族ぐらい。
ルマド → 先住民族でムスリムでなかったもの。バゴボなど、ダバオ周辺に10部族ぐらい。
中国人等 → 中国人は100年ぐらい前からの福建を中心とした移民。

海上漂流民バジャオ(サマ人)はおそらくルマドに分類されるのではと思う。ようは、その他。

さて、サンボアンガは17世紀にスペイン人によって要塞が建設される前からスペイン人が何度も来ていたが、いわゆるクレオールであるチャバカノ語が主要言語となったのは何時のころだが定かではない。ただ、少なくとも19世紀後半には主要言語になっていたらしい。

その後、セブアノ語勢力が流入し、チャバカノ語もセブアノ語からの影響が強まっていくが、近年の国語政策によって、現在ではセブアノ語の進出は止み、今度はタガログ語の影響が強まっていき、ゆっくりとフィリピノ語の方言化の道をたどり始めているように見える。

現在この町でむしろ目立つのはスールー諸島やバシランから来るムスリム移民(経済難民?)。観察していると、現在のサンボアンガは大きく3つの言語グループに分けられるようだ。

1)チャバカノ語 → 一、二世代以上前からサンボアンガに住んでいるクリスチャン、バジャオ等。
2)セブアノ語 → サンボアンガに比較的最近移民してきたクリスチャン
3)タウスグ語 → バシランとかからつい最近移民してきたムスリム

そして、それぞれの共通語はフィリピノ語というかタガログ語。若い人は、小学校しか出てなくて英語があまりできなくても、みんなタガログ語は普通に話せる。フィリピンの国語政策は大成功しているのを改めて感じる。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中