理論言語学の現在

俺の理解では、理論言語学というのは言語の一般法則を求める学問で、理論物理学の言語版。個別の言語の研究ではなしに、およそ言語一般の特性について論じるのだと思う。

方法としては、世の中の諸言語に現れる特徴から一般法則を導き出すのだと思うが、しかし言語は物理学のようにはいかない。まず、言語の特徴は原子番号のときのように、規則正しく並ぶような性質のものではないので、どんな範疇があるのか予見できない。

次に、20世紀だけでもかなりの言語が死滅しており、さらにこれからの数十年でも分析できていないかなりの言語が消滅する見込みなので、サンプルがどんどん減っていく。対して、新しく生まれる言語の数はほんのちょっとだけ(最近の例で言うと、ニカラグア手話とかそれぐらい)。

それから、現存している言語ですら、ある程度以上昔の姿はわからない。たとえば日本語も、文書では書き言葉が記録されているだけで、話し言葉は形がずいぶん違っただろう。それに「日本語」という概念がなかった昔は、地方差も今とは比較にならないぐらいあったはず。でもそれも、ある程度以上はさかのぼれない。

そうすると「言語の起源」は、いくらがんばっても具体的な話はできないはずだが、そこをなんとか少しでも具体的な話に近づけたい、というのが学者のがんばりどころのようだ。

さて、日本語のすごいところは、たいていの分野で最先端の話が日本語で聞けるということ。理論言語学では、MITの宮川繁教授がいる。個人的には、日本では言語学者としてよりも、大学でEラーニングを流行らせるのに成功した人として評価されているのではないかと思う。2014年からは東京大学の大学総合教育センターの特任教授・オンライン教育統括ディレクターをしている。

この教授が、2013年末、京都大学で行ったゼミ(?)での講義がアップされている。

その質疑

最先端と言っても3年前なのでもう古いんだろうが。。話を聞いていると、理論言語学ならではの用語、「フェーズ理論」やら、有限状態文法(FSG=finite state grammar)、有限状態オートマトンやらが出てきて小難しく聞こえる。ただ、言語学が物理学と違うのは、観察するのに言語学者が特別な器具を使っているわけはない、ということ。その点、数学に似ていると思う。

本気で勉強したかったら、ネットを使えば基本的には家でも大学院レベルのことが全部できる。日本だと本もネット通販で簡単に買える分、むしろ途上国の大学院より環境はいいと思う。あとは、いかにしてコーチまたはメンターを見つけるか、ということに尽きると思う。

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