セブアノ語の文法2

どうやら「セブアノ語の文法」で検索してくる人がときどきいるらしいので、続編。

1) まず、「セブアノ語」という言語があるのか、という問題。
定義の問題にも似てくるが、「セブアノ語」というのはセブ島とその周辺(オランゴ諸島とか)で話されている言葉なんだろうな、という気がする。ダバオでは人は「セブアノ語」と呼ばず、ビサヤ(語)と呼ぶ。

ビサヤ語(またはビニサヤ語)の定義もまたいろいろありそうで、たとえばイロンゴ語(=ヒリガイノン語)に含めてビサヤ語だというフィリピン人もいる。俺に言わせればビサヤ「諸」語だと思うのだが。。

2) 文法
以上を踏まえてダバオでのビサヤ語について文法の重要なところをざっと書いてみると、

a) 動詞の焦点は、タガログ語と同様に大きく2つ。動詞活用のタイプは4つぐらいになるかな。
まず焦点の一つ目、行為者焦点としては、”mo-” ないし”ni-“ が接頭辞としてくる(それぞれ現在、過去)。 “mo-“の代わりとしての”mi-“は古いのか、使われるのを聞かない。さらに現在進行形として、”ga-“ないし”naga-“という接辞を使っている。タガログ語の影響だろうか。
よって、食べる”kaon”の活用だとこんな感じ。mokaon, nikaon, gakaon

次に、目的・方向焦点としては、接頭辞の”i-“のほかに、接尾辞の”-on”、”-an”がある。過去形のときは接頭辞”gi-“をつける。タガログ語みたいに挿入しないで済むので、ずっとシンプル。現在進行形は、どうやら”gina-“という接頭辞になる。
食べる”kaon”は、kaonon, gikaon, ginakaon とか。

b) 接辞の並びは、ra, na/pa, ba, man, (ka ), lagi/ bya, dawの順。ただし、(ka)としたところは代名詞(追記:セブアノ語とタガログ語の小辞の比較について別に記事を起こしました(参照)
といったところか。あとは unta =sana とか。タガログ語で伝聞の”daw/raw”は、ビサヤ語でもそのまま”daw”のようだが、お願いを柔らかくいうときの”daw”と形が同じで紛らわしい気がする。あるいは、他の形があるのかもしれない(ダバオではビサヤ語にタガログ語も混ぜて話す傾向があり、見分けづらい)。

c) 言語の変わり方がすごいスピードで進んでいる
これは仮説ですが。年代によって、使う表現とかがずいぶん違うのではないかという気がしています。タガログ語も速いけど、ビサヤ語はもっと速い気がします。ヴァナキュラーな言語だから。出版された語彙集、辞書等を使う場合は、いちいち確認しながらじゃないと全然通じない可能性もありますので注意が必要です。

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(こちらの著者サヤス先生は、つくばで博士を取得したカガヤンデオロ出身のUPディリマン教授です)

 

 

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