フィリピン手話

エクアドルのキトに着いてから早3日。はじめての週末は、ビクビクしながら観光に行きました。俺にしてみればどうみても「普通」の町にしか見えないのだが、先輩諸氏からホールドアップやセットアップ犯罪なんかの経験談を聞いているので、気にしないわけにはいかない。

さて、日曜日、ネットで調べたキトの「国際ろう者週間」の映画祭イベントに行って来ました。会場のテアトロメヒコ(Teatro Mexico)は立派なホールでした。観光という面でも、ろう者についてのエクアドル事情を知る上でも、また純粋に市民生活上の経験としても、収穫は大きかったです。

どうやら世界的に、9月の最終週は「国際ろう者週間」としていろんな催しがされているそうです。特筆したいのは、コンセプトとしては、「聴者にろう者のこと、文化などを理解する機会を提供する」、ようするにろう文化を発信する、ということのようです。いいですね。

ただ、惜しむらくはせっかくのいいプログラムに、聴者の参加がほとんど見られなかったこと。ま、それこそが現状なんだろうな、と思いながら観察していました。

昨日のイベントでは、「国際ろう者週間」というだけあってフランスやアメリカのろう文化に関するインデペンデント映画が上映され、中には監督が来ているものもありました。映画はスペイン語字幕付だったので、私にもけっこう理解できました(まだまだ、話されるより字幕の方が理解しやすい)。非常に興味深かったです。

首尾よくキトでの手話教育機関についての情報もゲットしたので、これから習いに行ったりしたいです。これから、この国でいっぱい友達を作りたい、というのが当面の目標ですが、そのためのよい手段にもなると思うのです。思うに、ろう者からすれば手話ができない同国人より、手話ができる外国人の方がある意味では親しみを覚えてもらえるんじゃないか、と推測します。

滞在先に戻ってネットで調べ物をしていたら、たまたま「フィリピン手話」に関する記事を発見。とても貴重な情報と思います。今回、新たに義務教育年限を延長することでも注目されるフィリピンの「K-12カリキュラム」の一部として、フィリピン手話を母語として教えるというものです。

フィリピン:聾児の教育に母語としての手話を使用へ

フィリピン人の聾者の約54パーセントはフィリピン手話(FSL)を使用しており、教育手段として使用される好ましい手話とされる。

教育省関係者によると、現在、手指英語(SEE)は、聾学生のための公用語として使用されているが、聾コミュニティーは、聾者が自分の文化をもち、よく反映させるとして、英語手指(SEE)よりフィリピン手話(FSL)を好んでいる。

これによれば、俺がマニラで習ったのは実はASLでもなく、やはり手差英語(SEE=Signed Exact English)だったということになる。ようやく納得できる説明が見つかった。

記事の英語原文はこちら。
http://ph.news.yahoo.com/blogs/the-inbox/k-12-sign-language-mother-tongue-deaf-143729869.html

関連記事はもうひとつあって、こちらも興味深い。
http://www.mb.com.ph/articles/370169/pushing-filipino-sign-language

この記事によれば、フィリピン手話はASL(アメリカ手話)と同様にフランス手話系の言語であるかのように書かれているが、しかしながらそれでいて独自なんだそう。フィリピンでは現状、教育現場での公用語はSEEだそうで、若者は、ろう者でもフィリピン手話の存在自体を知らない場合もあるとか。

フィリピンにおける手話をめぐる政治というのは、聴者(手話通訳とか教育者とか)対ろう者という対立だけでなく、米国ピースコーも絡んでいて、とても興味深いです。もっというと、フィリピン手話の政治には、日本もODAで「フィリピン手話教本」の作成プロジェクトだとかを通じて関わっています。将来フィリピンに戻ったらぜひ研究したい分野です。

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