グラミン銀行を知っていますか

数年前のノーベル平和賞でも話題になったバングラデシュのグラミン銀行。ここのマイクロファイナンスのプログラムは20世紀後半のイノベーションの中でも有数だと思います。

おかげで今では世界中でマイクロファイナンスが大流行しており、グラミン銀行に影響を受けたメソッドは、先進国においてさえも実施されているんだそうです。

いろんな文献やらでなんとなく聞いていたグラミン銀行についてですが、実は、なかなかつかみどころがないというか、よくわかっていませんでした。というのは、わかりやすく解説してくれる本に出会ってなかったからです。そんな中、字も大きくて読みやすい以下の本は、ようやく見つけた入門書でした。

「グラミン銀行を知っていますか―貧困女性の開発と自立支援 」坪井 ひろみ(2006)

グラミン銀行を知っていますか―貧困女性の開発と自立支援
坪井 ひろみ
東洋経済新報社
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俺が興味を惹かれたのは、もちろん無担保なのに高い回収率を維持するそのシステムもですが、センターでの定例ミーティング等による「借り手教育」でした。成人向けの学校外での教育(というか啓発)のメソッドとして、かなり注目に値すると思います。

なにしろ、このメソッドが発達してきた時代背景の影響もあり、いわゆる参加型の運営で、借り手をエンパワーするいろいろな工夫が見られます。たとえば、本書で紹介されている、以下の「貧困のない生活」の定義を見てみてください。

「貧困のない生活」
(1) トタン屋根のある家をもつ
(2) 家族全員にベッドがある
(3) 安全な飲み水が手に入る
(4) 衛生的なトイレをもつ
(5) 就学年齢に達した子ども全員が学校に通える
(6) 冬用の暖かい衣料が十分にある
(7) 蚊帳がある
(8) 家庭菜園がある
(9) 生活がどんなに苦しいときでも食糧不足にならない
(10) 家族の大人の働き手全員が十分に収入が得られる機会をもつ

生活に根ざした項目ばかりで、何が課題なのかがわかりやすく伝わってきます。一日一ドル以下、とか人間開発度数とか言われても全然ピンとこないのと好対照です。

ちなみに上の基準を試みにフィリピンのスラムにあてはめてみると(6番は必要ないですが)、けっこう悲惨な状況だということが了解されます。バングラとの比較はできないにせよ、どちらでも圧倒的に不足しているものが目立ちます。

グラミン銀行のシステムがいかに成功しているといっても、貧困の規模は圧倒的で、たとえばバングラデシュはまだまだ貧乏です。みんながこのシステムを真似するだけじゃなくて、一部の人たちはもっとよい別のアプローチを探さないといけないんだと思います。

とはいえ、とりあえずこのモデルを学ぶことは相当に価値あることだと思いました。

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