偽造した離婚届を役所に提出されてしまった場合

先日、ネット上の在日フィリピン人コミュニティの、タガログ語掲示板に書き込みがあった件について。

あらすじは、以下。
日本人のダンナが別のフィリピン人と浮気して妊娠させて、その上で離婚を迫ってきて、家を追い出された。相手のフィリピン人と結婚したいのだという。離婚を拒否したところ、既に離婚届は出している、と言っている。

うーん、残念ながら、よくある話です。あと、よくあるのは、奥さんの方もなんらかの非があるということ(例えば、先に浮気したのは実は奥さんの方だったりとか)。

とはいえ、奥さんの利益を考えると、以下のような対処がある。

1)役所に、離婚届不受理申出書を提出して、偽物の離婚届が受理される余地をなくす(今回のケースでは既に遅い)
2)家庭裁判所で、離婚無効確認の調停を起こす(参照
3)調停で相手(ダンナ)が離婚届のサインが本物であったと主張する場合、裁判で争う
4)離婚することにした場合、ダンナに対して財産分与と慰謝料を請求する(不貞、および遺棄、さらに離婚届の偽造に対して)
5)浮気相手にも慰謝料を請求する裁判を起こす

さらに、ダンナは

有印私文書偽造罪(刑法159条)、偽造私文書等行使罪(刑法161条)、
公正証書原本不実記載罪(刑法157条)に問われる可能性があります。

そして、偽造・虚偽の協議離婚届により戸籍上解消した上で、
第3者との間で婚姻届を提出して後婚を成立させた場合には
重婚罪(刑法185条)が成立します。(名古屋高判昭36・11・8高刑)

更に、離婚届を偽造して使用することについては、不法行為が成立しますので、
離婚届を勝手に提出された相手方は慰謝料を請求することもできます。

(参考判例 最高裁第一小法廷昭43・10・31)

これぐらいやんないとフェアじゃないでしょう。ちなみに、このケースではお子さんはいないそうです。

さて、離婚届無効確認の訴えですが、このような類の訴訟は、行政事件訴訟の抗告訴訟のうちのひとつとされているそうです。行政が行なった行為に対する訴えなので。

法律としては、行政事件訴訟法。ちょっと思ったのですが、民事事件が民事なのに対して、行政事件は行事という風には呼ばないのですね。

(行政事件訴訟)
第二条  この法律において「行政事件訴訟」とは、抗告訴訟、当事者訴訟、民衆訴訟及び機関訴訟をいう。

で、抗告訴訟には、以下の6つの法定抗告訴訟があるということだ。
1)処分の取り消しの訴え
2)裁決の取り消しの訴え
3)無効等確認の訴え
4)不作為の違法確認の訴え
5)義務付けの訴え
6)差止の訴え

はい、今日も勉強になりました。

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