長生きの秘訣

多文化教育を学ぶとき、アメリカの黒人の歴史は避けて通れない。それはちょうど日本の在日の歴史のようだ。ちなみに、今ではアメリカの黒人とは言わず、アフロ・アメリカンというらしい。

古本屋で見つけて買った本。

「ベッシーとセイディー」(1993)講談社
原題:Having our Say: The Delany Sisters’ First 100 Years

19世紀末に生まれ、いわばエリート層「黒人」になるために闘ってきた姉妹の100年の回想録。本の時点で姉セイディー102歳、妹ベッシー100歳にもかかわらず、インタビューの内容はしっかりしている。まさに生き字引。

たった50年前までは白人・黒人専用の店や乗り物があったというアメリカの話。さらにそれ以前をもっと遡れば、選挙権もなかった。ちょっと口答えするだけでリンチにあって殺された時代が20世紀初期だった。

平易に読めて、勉強にもなる。アメリカでも相当売れたそうですが、この訳書も良書です。

ノンフィクション系を読むときはけっこうやるのだが、読後、ネットで調べてみた。
ベッシーは1995年に、セイディーは1999年(なんと107歳!)に亡くなっている。彼女らは、黒人の大統領が現れたときに立会っていたらなんと言っただろう。それも、こんなに早くにそのときが来るとは。

本書中にはこんな一節がある。

アメリカ合衆国の大統領に黒人が選ばれるまでに千年はかかるかもしれないわね。あるいは、永久に実現しないかもしれないわ。でも、セイディーはそうは思わないの。ですから、「そのうち黒人の大統領は誕生する」と言うの。
それにまつわる歌があるのよ。1890年代に白人が「ミンストレル・ショー」で顔を黒く塗って黒人をばかにして歌ったものなの。

そいつは面白いだろうな
ワシントンに
黒ん坊がみんな
田舎から出てきて集まれば
そいつは面白いだろうな
ワシントンで
黒ん坊が大統領のいすに座ることになれば

ね、白人は黒人を大統領にするくらいなら死んだほうがましだと思っているのがわかるでしょう。黒人の大統領が誕生する前に白人の女性が大統領になりますよ。でも、もし黒人が大統領に選ばれるとしたら? そうね、それは女性でしょうね。

ちなみに「黒ん坊」は”nigger”の定訳と思われる。

ところで、本書中でも再三にわたって言及されるが、当時の「黒人」とは実は黒人の血筋の人全般であって、セイディーやその母親のように、黒くないどころか白人と見かけが変わらない人もたくさんいる。このあたり、在日とカブっている要素が非常に強い。

上記から、黒人に対する差別というのは、有色人種全般に対する差別と密な関連を持っていることがわかる。ひるがえって日本では、在日に対する差別とアジア系ニューカマーに対する差別が、やはり密な関連を持っている。日本人には、ぜひ対岸の火事と思わずに読んでほしい。

ところでところで、なんで彼女らの家系は皆が皆ご長寿だったのだろう。そのヒントは、受けてきた教育と就いた職業、果たしてきた社会的役割や生活習慣にあるような気がしてならない。すなわち、頭を使う経験・仕事と、やりがいのある生活、そして規則正しく節度ある生活習慣。それにもうひとつ、この姉妹に限っては二人とも生涯独身、というのも見過ごせない。実は、子どもを産まない方が長生きできるのではないだろうか?

下の動画は、離婚しないことが長寿の秘訣だと言っている。早い話、結婚しなければ離婚もしないので。
http://www.youtube.com/watch?v=FOFEYXHOIvY

離婚に費やすエネルギーが寿命を縮めるのか、離婚するような相手と暮らすことが大変なのか。または離婚する人に問題のある傾向があって、そういう人は性格的に長生きできないのか。

いろんな解釈があると思うが、やはり関係は深そうだ。幸せに生きるとは何か、とあわせて考えたい。

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