零細組織の経営学

今日から新しい生活、新しい仕事。かつての自分のフィールドとはいえ、来たばかりの俺には右も左もわからない。そのうえ、再びカルチャーショック的なものも感じている。フレッシュな今だからこその感性、大切にしていきたいと思う。いろんな面で、慣れるまでたぶん今月いっぱいぐらいかかるだろう。

新しいプロジェクトに取り掛かるとき、俺はまず全体の把握から始める。すぐに動き出したりはしないので、あるイベントが一過性のものかどうか見極めるまでにチャンスを逃してしまうこともあるが、それはしょうがないと思って諦めている。

たいていの場合、自分にとって新しいプロジェクトとはいえ既存の社会に入っていくことになるので、中にある力関係を把握する以前に勝手に動き出すと反感を買いやすい。革新的リーダーとして着任するなら別だろうけど。一般的に、中の人が築きあげてきたものを否定しないように、尊重する姿勢を見せて安心してもらうことが第一ステージ(反体制派でないことの宣言)。それから、フレッシュな感性のあるうちに改善すべき点を見つけて、少なくとも自分が既存の組織の弱点にハマってしまわないように注意する(同化の拒否)。次に、それらの点のうち、クリティカルな問題や達成容易な問題などを整理して、行動計画に優先順位をつける(行動計画立案)。あとは、ひたすら根回し。計画達成のために、味方を増やして政治的力をつけながら、既成事実を積み上げる。これが俺の理想の形。

さて、新しい組織に参加するにあたって、出発点は「自分に何ができるか」ではないと俺は思っている。組織に「何が必要か」から始めるのが王道だろう。その上で、必要なことをできるようになるために自分を変革していかなければならない。「自分に何ができるか」という「ボランティア」的考え方は自分中心なために、それぞれが勝手に動きがち。特に、制御できる人がいない場合。

組織目的を中心に据えれば、オブジェクトツリーがクリアになる。ただ、肝心の組織目的がしっかりしていないと話にならない。組織は何をやりたいのか、ミッションは何か。

当然ながら、組織目的と手段が有機的につながっていないと、手段の精度をいくら高めても目的が達成できないという、ロジックの破綻を引き起こす。具体的にはそういう場合、評価観点がないので事業評価ができない。ボランティア組織で手段が自己目的化している場合に起こる。

普通、というか理想的には、新しいポジションに就くとき「何をするのか」だけでなくそこで自分に何が期待されているのかも一緒に伝えてもらいたい。パフォーマンスを測るための評価観点が告げられないと、代わりに自分でそれを作り出さないといけなくなる。自律的で一見よさそうだが、上司と本人の定義に差があると問題が起こる。これはコミュニケーション上の問題であるとともに、人事考課を通じてモチベーション低下問題にもつながる。

伝統的な日本的経営のパターンでは、組織目的にしろポジションへの評価観点にしろ、クリアでないことが批判されている。「空気を読め」戦法だが、新人類には読めない人も多いので注意。

ともかく、明示されるかどうかは別として、期待されるパフォーマンスがあり、それとは別に労働者の自分なりの立場は形成される。仕事上「私は、ここまではやる」という決意レベルも含まれる。経営者的には、自分と同レベルのコミットメントを、と考えるのだが、種々のお膳立てなしにそれが実現できると期待しているならば、都合の良すぎる話である。忠誠心ではなく、所有感としてのオーナーシップを植え付けるように計らうことが必要。

日本組織でいう「よいメンバー」とは、上記をすべて自分で勝手にやってくれる、手のかからない人のことであると俺は思う。ようするに、組織づくりの責任者の怠慢、またはお膳立て能力の欠如ではないか。そういう人は、他人(または外注)に対する指示も的確に出せない。

「技は盗め」的な伝統徒弟制スタイルは、選ばれた人にしかついていけないので職人養成にしか向かない。誰にでもできるようにするために効率性を追求するのが科学、教育学の存在意義もそこにあるはず。誰もがそこそこ的確な指示を出せる社会を作るためには、そのための方法が社会の中で普及する必要がある。

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