公示送達とは

法律の勉強は楽しい。20代後半になってみると、法律はもはや机上のものではなくて、現実社会に応用可能性が無限に広がっているように見える。

日本に帰ってしばらくすると、11月に国家試験がある。せっかくなのでその準備をしようと思うのだが、行政書士か、社会保険労務士(社労士)か悩むところ。短答式の試験がある行政書士は面倒くさそうなので、とりあえずお勉強は社労士でいこうと思う。

とはいえ、勉強がおもしろいのは断然、行政書士の方なのだけど。

たとえば、行方不明の外国人と離婚する方法。
裁判の訴えは普通、相手の住所地で行うため、相手の住所がわからなければならないのだけど、相手がどこにいるかわからない場合、一体どうすればいいのか。

そこで出てくるのが、「公示送達」。裁判所の掲示板に一週間ほど貼り出して、その後勝手に欠席裁判を行なってしまう、「見てない奴が悪い」論法のすごい手段だ。

ただし、これはある意味で奥の手なだけに、相手の住所を一生懸命調べてもわからないときにしか認められない。「一生懸命調べる」というのは、相手の住民票を取り寄せたり、もしくは住民票の移動しているところをたどって行ったりすること。

通常は、
1)相手の住所に送る。
2)相手の勤め先に送る(「裁判所から手紙が来た」というのは、嫌がらせにもなる)。
3)実家に送る。
で、上記のどこにもいない場合にようやく認められるのだそう。

ところで、相手が海外にいる場合はどうなるのか。 これには、日本の最高裁から在外大使館経由で送る方法があるそうだ。左記のような経由の仕方のため、時間が3ヶ月とか平気でかかるらしい。

ところで、訴えの内容によっては相手の住所で裁判を起こす必要はない。たとえば不法行為に関する訴えの提起は、その不法行為が行われた場所でできる、といった具合だ。そして、行方不明になってしまった配偶者と離婚するときにも、どうしようもないので原告の住所でできる、ということになっているようだ。

こちらを参照

ただし、この離婚訴訟には160万円かかるらしい。びっくりな価格だ。親子関係不存在確認なども同様だという。

訴額の算定

※同日追記:訴額とは、印紙の額を決めるための金額だそうで、それを払うわけではないよう。払うのは、印紙税。ちなみに上記は平成16年から160万円だが、それ以前は95万円だった。

そんなこんなを調べていると、とあるブログに出会った。例によってフィリピン人と離婚した日本人男性の話。ただし、このブログ、超失礼なんですが読んでておもしろいです。しかも、手続きをいちいち几帳面に記録しており、勉強にもなります。本にすればいいのに。

http://filipino.blog.so-net.ne.jp/archive/c5377020-2

俺のように彼の事情を何も知らない読者は、まず「公示送達」のエントリーから読み始めます。目的は、行方不明のフィリピン人との離婚。破局を迎えた彼の身に、一体何が起こったのか。気になる出だし。

一体、どっちが悪いのか。というか、単に相手のフィリピン人女性にだまされていただけなのか。そうだとすると、そのフィリピン人女性は悪い奴なのか、それとも男性の方がよっぽどマヌケなのだろうか。その手口は?なれそめは?など、やじうま的興味が尽きない。

そしてこのブログ、実は文が上手。裁判手続きに至るまでの詳細な記述やリサーチ、エントリーの最後の一言というか、オチがおもしろい。

読者は飽きるまでさかのぼって読んでいって、疲れたところで読むのをやめるといい。
この話は、俺にとっては、第2の「電車男」。文学の素養はさっぱりの俺だけど、個人の日記ブログは新しい作品ジャンルになり得る、と感じた。というか、既に当たり前の事実なのかもね。

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