触覚言語、またはインプット手話のススメ

海外に家族が分かれて暮しているケースは、駐在員や国際結婚のケースはもとより、特に出稼ぎ大国フィリピン人では全く珍しくない。

電子メールの一般への普及が約10年前、それから何年かして登場したスカイプ、または音声・ビデオチャットは通信コストを劇的に下げて、生活はすっかり変わった。遠い世界は、まあ近い世界になった。

パソコンが電話(特に国際電話)になった後、ノートPCの小型化、廉価化が進んでポータブルになった。今では台湾や中国のメーカーの安いノートPCでも、日常生活の使用には十分の性能がある。そうして電話の機能を持つノートPCは携帯されるようになった。

一方、今度は携帯電話の性能がぐんぐん伸びて、音楽、カメラやビデオはもとより、 スマートフォンでは実質もはやパソコンと違いがなくなった。いまや、MSオフィスも携帯電話で使える世の中になっている。

先日、同僚がiPhoneで国際電話をかけるのに、スカイプを使っていたのを見た。無線LANを使って、携帯電話(iPhone)からかけていた。途中、音声がちょっと途切れたりしたので、いつもの癖で電波が弱いのだと思い、部屋から出ようとして注意されていた。そっちへ行くと、無線LANのルーターから遠ざかっていきますよ、と。

ずっと前にも書いたけど、スマートフォンのようなインターフェイスは、これからノートPCの主流になっていくと思う。ちなみに、携帯端末は既にテレビなどのリモコンの代わりもできるし、プリントアウトの指示もできる。電子マネーの決済もずいぶん前からできる。本のデータやスケジュール帳、時計、電子辞書、地図、位置情報などなにからなにまで、もはや、すべて携帯に詰まっている。

逆に言えばひとつ買えばすべて手に入るということで、デジカメなどをひとつひとつ買うのと比べて、コストは現時点でも割安。その代わり万一紛失したときも全部一遍になくなるので、リスクも一極集中です。

さて、ところでこの傾向ですが、実は目の見えない人には今のところ恩恵は少ないように感じます。全盲だと、タッチパネルはまるで操作できないわけですから。

声による入力は、代替的な手段ではあるけれども、それ以上になれないんだろうか。録音した内容を確認するのに同じだけ時間がかかるわけで。もっと研究が進めば、コンピュータ技術の使用を前提として、点字を超えるような表記法の発明が現われるんじゃないかなぁと思う。

たとえば電子信号によって変形する立体の形状によって文字を表すような、または文字を超えて立体の形状で意味を表す言語のようなものはどうだろう。言語的には手話のようなものをイメージしているので、文法は必ずしも音声言語と同じ必要はない。点字の触読と比べて、読み取る速度は格段にあがると思う。一方で入力は、音声を電子信号に変え、それを立体の変形に結びつけるようにすればいい。入力と出力が別の言語になるという、受動バイリンガルに見られる反応を応用した仕組みだ(ちなみにこの種の変換は、同じ言語の中でも音声を文字に置き換える際に誰もが頭の中でやっていることです)。

この種の言語は、まだ地球上に出現していないかもしれない。いわゆる言語である音声言語、書き言葉である文字言語(というか、表記法)、それから手話のような視覚言語に対して、俺は「触覚言語」という名前をつけたい。というか、もっと言えば、これは全盲の人の使う、インプット専用の手話です。

過去の人工言語であるエスペラントに興味のある人の中から、上のような新しい人工言語の研究成果が生まれていけば素晴らしいと思う。歴史に名前が残る仕事です。誰か、一緒に研究しませんかー?

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